「彼氏、どんな顔するかな」誰をも虜にする後輩が抱える嫉妬心の暴走 (ページ 4)

「じゃあ、今からしてもらおうかな。

教室、一つ、借りてきた」

「何言ってるの。そんなこと出来るわけないでしょ?

嫌だよ、嫌に決まってる」

私の言葉に、旬はますます不機嫌になって、どんどん声が低くなる。

「じゃあ、うちに来る?

誰に見られるかわかんないけど。

それとも、先輩の家でする?

彼氏がやってきたら見せつけてあげればいいよね。先輩の痴態」

旬は本当に意地悪だ。

私に選べない選択肢ばかりつきつけてくる。

「――本当に、誰も使ってないところなの?」

「もちろん」

旬はにっこり笑うと強引に、音楽棟の中へと入りこんでいった。

どこで手に入れたのか、鍵を手にするりと教室に入り込み、後ろ手でがちゃりとカギをかけた。

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