大好きな彼氏の様子がおかしいです。心当たりはないけどなにかしちゃった?
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大好きな彼氏の様子がおかしいです。心当たりはないけどなにかしちゃった? (ページ 1)
「シャンパンありがと~~~!!!」
濃い化粧、巻いた髪の毛、手入れされたネイル、高い香水、馬鹿みたいなヒールの靴。
きらびやかな店内に、そんな私と同じような格好の女の子が何人もいて、そしてみんな同じように作り物の笑顔を貼り付けている。
こんなやっすいキャバクラなんかに来るような男、みんな大したことないしつまらない。
あーあ、くだらない。
*****
帰宅して、化粧を直す。
なんで直すのか?そんなもの決まってる。私の愛して愛して仕方の無い彼氏のためだ。
彼は私の顔が好きだから、私はいつも一番可愛い顔で会う必要があるんだ。鏡の前でニコッと笑顔の練習をしてからリビングへ入る。
「ただいま」
「ん。朝ごはん食べる?」
「ううん。飲み物でお腹いっぱい」
「酔ってんの?」
「酔ってないよ。客に分からないようにノンアル飲んでるから」
ふーん、と興味無さそうな返事に、その背中に抱きつく。コーヒーの匂いがして落ち着く。
「あのさ」
「ん?」
「今日荷物届くから受け取っといて。多分3時頃届く」
「いーよー。流石に起きてると思うし」
「うん。じゃ、その荷物今日使うから絶対受け取ってね。俺17時には帰るから」
使う?仕事道具だろうか?とりあえず「わかった」と物分りのいい返事をすると頭をくしゃりと撫でられる。
「昼ごはん冷蔵庫に入れといたから食べて」
「え?作ってくれたの?」
「いや、…買ってきた。アサイー好きでしょ」
「アサイー!?わざわざ!?ウワめっちゃ好きだけどごめんね!ありがとう~!!」
「べつに。仕事頑張ってるから」
ぶっきらぼうな、大好きな彼氏の貴重なデレにニヤつきそうな顔を引き締める。
「今度のさ!拓海が休みの日……映画行かない?」
「映画?いいけど何見るの」
「前に回読みした漫画が映画になっててね。すごい面白いらしいから見たかったんだ」
「いいよ。休みの日…っていうと明日なんだけど」
「明日?急すぎかな。ダメならいいんだけど」
私の言葉に少しだけなにかを考える拓海だったが、ちょっとつり目の顔をこちらに向ける。
「…俺はいいけど、彩が無理かもね」
「ん?今日は仕事ないから二日酔いとかにもならないから大丈夫だよ」
私の答えに、珍しく柔らかい笑顔を浮かべる。
「…どうだろうね」
その言葉の意味がわからなくて、拓海が仕事のために家から出て行ってからも暫く考えていたが、分からないものは分からないのでとりあえず風呂に入って寝ようと思い洗面所へと向かった。
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