同窓会では甘い再会が待っていた。久しぶりのセックスで私の体が元カレを思いだす。 (ページ 2)

 お正月の帰省に合わせての日程だったので、参加者は七十人ほどになるらしい。約半分の地元の同級生が揃うことになる。

 卓也と別れてから八キロ太っている渚は、少しでも中年体型を隠すよう、黒のワンピースを着ていた。セミロングの髪で丸顔を精一杯ごまかす。

 男性陣はカジュアルな服装の参加者が多く、髪が薄くなっていたり、太っていたり、痩せていたり、見た目の変化が大きいような気がする。

 女性陣も気合が入っている。昔からの派手好きなグループはそのまま華やかさを保っていたし、地味なグループも穏やかで幸せオーラを出している気がした。

 話題は子供のこと、健康のことが大半を占める。渚は子供がいないので、父の顔、母の顔を見せる同級生が微笑ましく思った。 

 しばらく談笑を楽しんでいると、入り口に卓也が現れた。

 少しふっくらしたように見えるが、長身で姿勢がいいせいか老けたとは思わない。みんなに挨拶をしている表情も、明るく清潔感はそのままだ。あっという間に卓也の周りには人が集まっている。

 二人が付き合っていたことも別れたことも全員が知っているはずだから、どのタイミングで声をかけていいものか渚にはわからなかった。

 近付けないまま幹事の挨拶が始まり、乾杯が始まる。

 渚はちらちらと卓也の様子を見ていたが、目が合うこともなく時間だけが過ぎる。そのまま三十分ほど過ぎたとき、卓也が女性陣のテーブルへとやって来た。
 
 渚と話していたメンバーは気を使ってくれたのか、飲み物を取りに行くとバーカウンターへ移動した。それでも周りの視線は痛いほど感じる。

 勝手なことを言われるのは嫌だったが、今日の目的は卓也に会うことだったので、渚は目の前の卓也に集中した。

「よう、元気か?」

「うん。久しぶりだね」

「変わらないな」

「卓也もね」

 十年以上の空白を感じさせない普通の挨拶だ。

「色々と話したいこともあるから、二次会の後に時間取れない?」

「うん、わかった」

「お互いのタイミングで抜け出そうか」

「オッケー」

 それだけで二人の空白を埋めるには充分だった。すぐに卓也は男性陣のテーブルに戻り、みんなと大声で笑っている。

 久しぶりに卓也と会話をした渚は、なんともいえない懐かしい気持ちと、以前とは違った卓也の少し強引な感じに胸が高鳴っていた。

 もちろん、二人で後から会うという約束で機嫌がよかったのは間違いない。

 何を話していたのか根掘り葉掘り聞く同級生を適当にあしらいながら、それなりに渚も同窓会を楽しんでいた。

 けれど、頭の中では、この中で何人が昨夜セックスをしたのだろう?この後、誰かが仕掛けていくのだろうか?と、不謹慎なことしか浮かばず、一人で下半身を熱くさせていた。

 卓也はそんな渚を見ていたのだ。

 

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