この世でやり残したことは、大好きな後輩くんとの初体験?天使に背中を押された私は…

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この世でやり残したことは、大好きな後輩くんとの初体験?天使に背中を押された私は… (ページ 1)

「ハルっ、こんな時に、こんなところで寝るなっ!」

「ふぁっ? 瑞希さん…俺もう限界っす…」

「おーきーろーハル!納期まであと一週間しかないんだってばっ」

ここのところ、終電は当たり前、三日に一度は徹夜、それでも納期は次から次へとやってきて、押しに押した今期最後のこの仕事は本当にやばいところに来ている。

最後はニ徹ぐらいでは済まないかも。

やばすぎて泣けてくる。

うちの会社は、年度末には地獄の超ブラック企業と化す。

公の団体のクライアントが多く、予算を年度内に使い切るために、発注が年度末に集中するからだ。

私は入社四年目なので、さすがにもう慣れたけど、私とチームを組まされた新入社員のハルには堪えるようだ。

起こしてもまたデスクに突っ伏してしまうハルがかわいそうになり、シャツに浮きだした肩甲骨の内側の窪みを親指で力を込めて押す。

「ぐへっ…そこ気持ちいい…もお、瑞希さんって鬼畜のくせに、突然優しくなっちゃうんだからっ」

「ほら、仕事に戻んな。もう終電ないから徹夜確定」

と言いながらも、私も眠すぎて、さっきから同じ間違いを三回ほど繰り返している。

「私も限界。休憩しに行こっか」

私はハルを連れて、オフィスを出る。

オフィスの裏はラブホ街なので、年に一度の繁忙期には仮眠を取るために時々利用する。

「ちょ…瑞希さんどこに行くんですか?」

「決まってるでしょ。欲望を満たしにいくのよ」

それにしても眠い。

横になったら秒で眠りに落ちる自信がある。

「やっと俺の気持ちに気づいてくれたんですね。嬉しいです」

ハルが私の手をぎゅっと握る。

「あのさ、欲望ってのは睡眠欲のことね。二時間ぐっすり眠ればすっきりするから」

「そんなぁ、瑞希さんのことが好きってずっと言ってるじゃないですか」

ハルには、しょっちゅう好きと言われているけど、ハルは誰にでも懐いて愛想がいいので本気にはしていない。

「お子ちゃまが何言ってんのよ。ハルみたいなドーテーが、大人の女の相手になるわけないでしょ」

ああ、また言っちゃった。本当はハルのことが好きなのに。

私は、今まで誰ともつき合ったことがない処女のくせに、ずっとこうやってハルをいじめてきたので、今更そんなことは言えない。

あの腕に抱かれて、広い背中に腕を回して、翼でも生えてきそうな肩甲骨に触れたい。

キスされて、あのおっきな手で愛撫されて、あれを挿れられちゃって…。

ああ、処女だってバレて引かれるか。

やっぱり、妄想だけにしておこう。

「瑞希さん、そんな車道側歩いてたら危ないって」

車のライトに急に照らされたと思ったら、猛スピードの車が歩道に突っ込んでくる。

うわあああっ…。

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