雑魚寝をするアルバイト仲間がいる中で、彼に愛され声を押し殺しながらもいつも以上に感じてしまう私。

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雑魚寝をするアルバイト仲間がいる中で、彼に愛され声を押し殺しながらもいつも以上に感じてしまう私。 (ページ 1)

詩織と碧人は居酒屋のバイト先で出会って付き合い始めた。

 先に働いていたのは碧人。その三ヶ月後に詩織が入店し、二人はすぐに意気投合した。同じ二十五歳のフリーター同士で、今は掛け持ちをせずこの居酒屋だけで働いている。

 店長が陽気で兄貴肌だからか、同じようにフリーターが集まりすぐに仲良くなっていた。

 碧人のアパートは店から近く、詩織もしょっちゅう泊まっている。二人の関係はみんなが知っているが、勤務態度がどちらも真面目だったので、何も言われることはなかった。

 その日も碧人の家に二人の後輩が遊びにきた。雪はやんだが寒い夜で、店長が十時に店を閉めたのだ。碧人がみんなを誘い、詩織と後輩二人がついて来た。

 後輩たちはお酒が大好き。始発を待ちながら楽しく飲むはずが、二時を回ったころには一人がいびきをかいて寝始めた。

 やはりお酒とこたつの組み合わせは、心地よい眠りを与えてしまうらしい。

「おい、寝るならベッドに行けよ」

 碧人が笑いながら後輩を無理矢理起こし、隣の部屋のベッドに寝かせる。残った後輩もさすがにお酒を飲むペースは遅くなっていた。

「私も横になってもいい?」

「どうぞ」

 碧人と後輩は熱く語っていたが、詩織も少しだけ酔いが回り、うとうとしかける。

 そして、そのまま寝てしまったのだろう。びくっとなった瞬間、目の前に碧人の横顔があった。時計は四時半。みんなが寝てしまったようだ。
 
 上体を起こして部屋の様子を見渡す。碧人は詩織の隣にいるが、もう一人の後輩は反対側で毛布をかぶって寝ている。

 すると、詩織が目を覚ましたことに気付いた碧人が、ぎゅっと詩織を抱きしめた。

「起きたの?」

「うん、みんな寝ちゃったね」

 二人でひそひそと会話を交わす。詩織は碧人のハグが大好きだけど、そのままいちゃいちゃしたくなるので軽く抱きつく程度にした。

「ちゃんとひっついて」

「みんないるじゃん」

 耳元で囁く碧人の息遣いが詩織を誘う。

「だめ?」

「何が?」

 何も出来ないことを知っていながら、碧人は詩織を困らせて楽しんでいる。

 唇をとがらせて、キスをおねだりする碧人に、詩織はにっこり笑いながら軽く唇を重ねた。

 ところが、碧人は詩織の唇を放さない。ぼてっとした唇を押し付けたまま、顔を左右に動かして密着感を楽しんでいる。

 詩織は腕を伸ばし、碧人を離そうと必死だが、こんなときに碧人の程よい筋肉のついた腕が邪魔をする。

 ほろ酔い気分が冷めない二人は、お互いを欲していた。

 碧人の手が、詩織のロンTの中に滑り込む。温かい体に碧人のひんやりした手がぞくぞくするほど、それが刺激となりなぜか敏感に反応を見せてしまう。

「あっ…」

 詩織は思わず吐息を漏らす。

 その隙間をぬって、碧人の舌が入りこみねっとりと詩織の舌と絡み始めた。

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