女性向け風俗を予約したわたし。やってきたのは、学生時代大好きだった人で……!? (ページ 2)

「……恋人同士みたいに、してほしい、かも」

「了解」

洸太くんはポンポンと私の頭を撫でた。

もうここからきっと、恋人ごっこは始まっているのだ。

「お風呂、一緒に入る?」

「い、いやっ、それは緊張しすぎるから……一人で入ってくるねっ」

バスタオルを抱きしめ、浴室へ向かった。

*****

バスタオルを巻いただけの姿で部屋へ戻ってくると、入れ替わりで洸太くんがシャワールームへ消えていく。

ベッドの上に座って、心を落ち着かせるように学生時代の洸太くんのことを思い返す。

高校3年間同じクラスで、席もいつも近くて、いいなあと思っているうちに卒業式になってしまった。

あの頃、私には勇気がなかった。

何も伝えられないまま、最後の日、洸太くんにまたねと言って別れた。

それから彼と私は一度も会うことはなかった。

私が出席できた同窓会やクラスメイトとの飲み会に彼は来ていなかったけれど、私が仕事の関係で急きょドタキャンした飲み会には卒業以来初めて彼も参加していたという。

たまにふと彼のことを思い出す夜があった。

縁がなかったのだと、自分自身に言い聞かせていた。

扉の開く音がして、温かな蒸気が流れ込んできて、部屋の湿度がわずかに上がった。

私と彼は、縁がなかった。

けれど今、もう一度会えた。

恋人同士じゃなくても、一度でも触れ合うことが出来たなら、いい思い出として胸の奥にしまっておくことが出来るはずだ。

部屋の明かりが落とされる。

彼の方を向けずにいると、急にベッドが沈んで、後ろから洸太くんに抱きしめられた。

シャンプーの匂いがして、きゅんと胸が高鳴った。

「高校時代のこと、思い出してた」

「……私もだよ」

「よく隣の席になったの、覚えてる?」

「すごい偶然だったよね」

「あれさ、俺が晶ちゃんの隣の席のやつと、こっそりクジ交換してもらってたからなんだよ。気付いてた?」

「え……」

ゆっくりと洸太くんの顔が近づいてくる。

目や鼻の輪郭がぼやけるくらい接近して、目を閉じると唇が重ねられた。

ふんわりと柔らかな感触が一瞬で離れたと思うと、今度は先ほどよりもずっと深いキスが始まる。

結んでいた上唇と下唇を分け入って、熱い舌が差し込まれた。

わずかにざらついた舌と舌を撫で合うように絡める。

「ん……」

洸太くんの左手が頭の後ろに回され、反対の手で肩を押される。

シーツの上に仰向けにされると、洸太くんがこちらを見下ろしていた。

彼はネクタイの結び目に指をかけ、容易くそれをほどいた。

鎖骨のあたりにキスをされながら、太ももを撫でられる。

身体に巻いたタオルが乱れないように必死でかき合わせると、洸太くんがそれを制止した。

タオルの上から身体を撫でられる。

お腹に触れていた手が、左胸を覆った。

「晶ちゃん、すっごいドキドキしてる」

「そりゃするよ……」

「これからもっとすごいことするのに?」

タオルを剥ぎ取られ、生まれたままの姿を洸太くんに晒してしまう。

豆電球に照らされた肌が暗い部屋の中で白く浮かび上がった。

お腹や肋骨のあたりにキスをしながら、両手で胸を包むように撫でられる。

触れるか触れないかの強さで触られ、感覚が鋭敏になっていく。

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