彼の死から二年。ずっとそばで支えてくれていた眼鏡男子が、突然私の手首の自由を奪ってきた。 (ページ 4)

「はっ! んあぁっ、やぁぁっ」

目を開ければ、見えるのは彼ではない男の人……彼よりきゃしゃで、地味で、だけどどこまでも私のことを心配してくれる人。愛撫する手つきも、私の上でもらす甘い息も、彼のものとは違う。それでも、いやじゃない。悲しくもない。ううん。むしろ……

「青井……きもよすぎて、なにも考えられない……」

「そうだ。なにも考えるな」

かちゃかちゃとベルトを外す音とともに、スカートの下に手が入ってくる。欲しくて欲しくて、足と足のあいだがひくひくとしている。

「いますぐ挿れる」

するりと下着をおろされても、もう抵抗なんてできず、私はされるがままだった。

「いれ…ちゃうの?」

「挿れないでいいの?」

青井は目を細め、息を荒くしながら私の上にのっかってきた。

そそりたったペニスの先端、やわらかい亀頭が、私のぬるぬるの割れ目をくぱぁっと開いてきた。亀頭は、びちょびちょのそこをなぞりながら、すぐに膣の入り口を探し当ててしまった。

「あぁっ……くる」

とっさに青井にしがみつく。ぷつっとした感触とともに膣口にやわらかい甘い快感が走る。そして……

「は、入ってくる、青井が、青井が入ってくる!」

圧倒的に大きくて長いものが、膣の壁をこすり、ひろげ、侵入してきた。

「ああぁぁっ!!」

なにかが入るのは二年ぶりで、指一本いれぬままのいきなりの挿入なのに、どんどん、うれしそうに、青井をのみこんでいく。

「きもち、いいっ……あぁんっ! んんんっ」

「よかった。久しぶりでも、痛くないみたいだね」

青井がぴったりと密着した正常位で、腰を動かし始めた。

「青井……きもちいい、きもちいいよぉ!」

「すごい。桃香、びしょびしょすぎて、俺もベッドも、あちこち濡れちゃってるぞ」

「いやぁ…」

恥ずかしくて気持ちよくて狂いそうになる。ますます青井にしがみつき、細い肩におでこをくっつける。

「桃香、もっと抱きついてくれ」

「あぁっ!  青井!」

――こんなに気持ちいいなんて、私、青井を好きなの?

――こんなに安心するなんて、私、青井を好きなの?

どうしても考えてしまう。

青井にしがみついたまま部屋の隅のチェストへ視線を移せば、伏せた写真たてと青井の眼鏡が見える。

「んぅっ」

感情が制御できず、涙が出そうになる。

「まったく桃香は」

挿入したままの姿勢で突然青井が体を起こし、私の片足を抱き抱えた。

「なに、これっ。だめ、これ! だめ!」

「『松葉崩し』だよ。桃香はまだ考えごとする余裕があるみたいだから」

「あ、だめ。こんなの初めて。そんなとこ、ぐりぐりしちゃだめ! そこ、だめ、おかしく、なっちゃう」

「でもこの姿勢だと、どうしてもそこに刺さっちゃうんだ。ほら、ほらほら」

「やっ、やぁっ、いやぁっ あぁっ!!」

コメント (0)

コメントを書く