「早くこうしたくて…仕事を終わらせてきた」温もりに包まれ輝くシルシ (ページ 2)

「理沙、ひょっとしてまだ起きてたの?」

驚く准に構わず、大きな背中に腕を回す。

「おかえりなさい」と言って。

そうすれば准も同じように、抱き締め返してくれた。

「ただいま。寝ないで待っててくれたんだ」

「ううん…今さっき、起きたばっかりだから」

体を少し離した准が、私の顔を見るなり、くすりと笑った。

「ちょっと化粧崩れしてる」

「そ、そんなに見ないで…」

恥ずかしくなって俯いたけれど、頬を撫でられて、上を向かされる。

その手はだいぶ冷たかった。

帰り道、寒かったんだろうな。

「化粧崩れしてる理沙も可愛い」

准の顔が近付く。

私も目を閉じて、触れ合った唇に応えた。

「んっ…はあ、」

「理沙…」

「はっ…、准っ…」

段々と深くなる口付け。

背中にあった手が、服の上から体をまさぐり始める。

その意味が分かって、唇を離した。

「あの…、ここじゃあ、さすがに」

「分かってる。ベッド行こう」

言うなり、准が腰を屈めた…と思ったら、横抱きにされてしまった。

「外は寒かったから、理沙でいっぱいあっためて」

その微笑みに、私はただ、身を任せるしかなかった。

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