あたしと彼、仲直りはいつだって、ラブラブえっち (ページ 2)

「あ!」

 思わず高い声が出る。

 くちゅ、と濡れた小さな音が、あたしの耳にもはっきり届いた。

 ショーツが膝まで引き下ろされる。

 彼が脱がせやすいよう、あたしは自分から脚をあげた。

 むき出しになったそこに、彼の手が押し当てられた。

 濡れたそこを、長い指が思うがままになぶる。かき乱す。

 あたしのことを知り尽くしてる指先。あたしの一番弱いとこ、感じるとこ、好きなとこを逃さず攻めてくる。

「あんっ! そ、そこ、……い、あ、あ……っ」

 彼の指の動きに合わせて、ひくひく腰が揺れ動いちゃう。

「可愛いよ、菜々美。すごく可愛い」

 独り言みたいに彼がささやく。

 恥ずかしくて、気持ち良くて、思わず逃げようとしてお、弘平の手がしっかりとあたしのウエストを掴んでて、逃がしてくれない。

「あ、あんっ、やぁん……っ」

 もう、我慢できない。

 あたしはぎゅっと彼の肩にしがみついた。

「おねがい、弘平……。もう、待てない――」

「うん。じゃあ、後ろ向いて」

 言われるまま、あたしは彼に背を向けた。

 ダイニングテーブルに両手をついて、腰を彼のほうへ突き出す。もう、恥ずかしいと感じる余裕もなかった。

 背中から弘平が覆いかぶさってくる。スプーンを重ねるように、ぴったりと。

「仲直りだね」

 優しいささやき。

 滴るほどに濡れたあたしのそこに、熱い塊が押し当てられる。

「いっぱい、いっぱい、仲良くしよう」

 そして、彼が一気に入ってきた。

「あ、う――くううっ!」

 ああ、ああ、すごい……っ!

 あたしの中、いっぱいになる。

 下から突き上げられて、胃も肺も心臓も、みんな押しつぶされちゃいそう。

 あたしの中、全部、弘平で埋め尽くされる。

 彼が動く。

 ずちゅ、くちゅ、と濡れて粘ついた音をたてて、あたしの中をかき回す。

「あぁんっ! あっ、は、や……ああっ! ああ、やあくぁっ!」

 声がほとばしる。

 あたしも彼も、あっという間に上り詰めていく。

「あ、はっ! あ、もう……もう、だめっ! あたし、もう……!」

「うん、俺も――俺も、いきそうだよっ」

 耳元に吐きかけられる、熱い息。声。

「好きだよ。大好きだよ――」

 あたしも。

 あたしも、大好き。

 そうなの。こうやって彼とエッチするたびに、気持ちよくなるたびに、思い知る。

 あたし、この人が、好き。大好き。体も心も、みんなみんな、大好き。

 彼のささやきに応えたいのに、もう言葉が出てこない。

「ああっ! ああ――あーっ!」

 がくがくと全身がふるえた。

 その瞬間、あたしの奥底に煮えたぎるように熱いものがぶちまけられる。

 そしてあたしも、目がくらみそうなエクスタシーにのぼりつめた。

 ケンカのきっかけなんて、ほんと、単純。

 仲直りしてみれば、莫迦みたいなこと。

「今夜の晩御飯、なにがいい?」

 て、質問に。

「んー、なんでもいいよ」

 としか答えてもらえないから。

 それが一番困るんだって、わかってもらえなくて。

 でもあたしも、ちょっと考え直して、質問のしかたを変えることにした。

「今夜、カレーと肉じゃが、どっちがいい?」

 こんなふうに二択にすると、弘平も返事がしやすいみたい。

 時々、

「シチューが食べたい」

 なんて、変化球を返してくることもあるけど。

 まあ、それはそれで対応可能なので、良しとしよう。

 あたしだってやっぱり、彼と仲良しでいたいんだもの。

-FIN-

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