失恋の後に訪れた快楽の嵐。夜の海でのカーセックスで、彼の嫉妬心が私の身体を激しく責め立てる。 (ページ 2)

それから数カ月――

「っ…は。七海子、痛くない?」

余裕があまりないのか、うわずる瑛斗の声…本人にはまだ言えてないけど、ちょっとかわいい。

2歳年下の、スキニーだけど、肩幅とか、手とか、そういうところはとても男らしい体つきの彼。

こうして裸で触れ合うと、それがありありと実感できる。

「んっ…アッ…ぁ…きもち…いいよ、瑛斗」

私だって、瑛斗のモノにナカを責められて、冷静でいられるはずもない。

彼の責め方は優しいのだけど、私の弱いところを的確に突いてくる。

雄々しい手がゆっくり絡みつくように私の身体を撫でまわしていくと、温かさと快感が入り混じった何とも言えない感覚が走る。

初めての夜は、あまりにもその手があったかくて、優しくて…思わず泣いちゃったんだっけ。

次第に、瑛斗の腰の動きが早まっていく。

「ああっ!そ、そこ…んっ、んんんッ!あ、もっ…だめッ、イく…」

瑛斗はいちど腰を大きく引き、そして勢いよく私のナカの奥の方に、彼のモノを突き立てた。

「ああああああああん!」

与えられた快楽に、私は体をびくびくとさせながら、途切れ途切れの甘い息遣いのままベッドに沈んだ。

どん底の日々から一転、瑛斗は私の傷口を埋めてくれていた。

私は、幸せだ。

これ以上、望んじゃいけないと思うんだけど。

本当はもっと、彼に責めてほしい。

激しく身体を重ねているその時に、「愛してる」の言葉が聞きたい。

それに私は、時々感じるんだ。

彼はセックスの時、自分の気持ちを抑えつけているふしがある。

彼は、私の元カレに弾き慣らされた身体をどう思っているのだろう。

お互いに何か、相手に望んでいることがある。

それを言えないまま過ごしていたら、きっといつか限界が来る。

そんな風に私がモヤモヤを抱えていることを、思い切って会社の同僚に相談してみた。

「久しぶりのお店ランチだね。あそこのカウンター席がよさげかな~」

職場では、私の恋愛事情を知る唯一の友人。

元カレとのことがあってから、ジム通いをプッシュしてくれたのも彼女だった。

並んでカウンター席に座ってオーダーを済ませるとすぐに、彼女は私の方を向いて言う。

「それで、瑛斗君とはどうなの?それが今日の話題だよね?」

彼女は何でもお見通しだ。

ひとしきり私の話を聞いたのち、彼女は

「それはあんたがまず心を開かなきゃダメじゃないかな。瑛斗君は七海子の元カレの話を知ってるんだったよね。あんたがどれだけ悲しんだか知ってるから、慎重になってるんだよ」

と、スパッと言ってのけた。

そして、私の肩に優しく手を置きながら言う。

「七海子も、臆病になっちゃってるんだね。どんな場所でもいいからさ、自分が一番素直に気持ちを伝えられるところに、デート誘ってみたら?」

「ありがとう…ほんと、ありがとね。そうだね、私から、行動しなきゃ」

私は決意を固めた。

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