メガネを外した家庭教師が教えてくれるオトナのなり方 (ページ 2)

「これ、玄関の棚にあったのよ〜先生のでしょ?…確かアパート近くのはずだから、あんた届けてあげなさいっ」

「へっ………」

家が近いとは知らなかった夕鶴は、目をパチクリさせる。

同時に嬉しさが込み上げてきて、思わず興奮してしまう。

(や、やったっ!匠先生の家に行けちゃぅう〜!!)

母から地図を貰った夕鶴は、早足で地図の示すアパートに向かう。

家から徒歩15分の所にある先生の住処に、夕鶴は興奮しつつドキドキと緊張しながら、教えられた部屋番のインターホンを押す。

「…はーい」

(あっ、先生の声だっ)

ガチャ

「…えっ、あっ、夕鶴ちゃんっ!?」

「えへへ、ヤッホー匠先生〜」

驚愕する先生に、私はポケットからスマホを取りだすとそっと差し出す。

「あっ!僕の携帯っ!!」

「うちに忘れていったみたい…」

「わざわざ、ありがとう………あっ、入るかい?」

「えっ!?いいの…?」

「うん、どうぞー」

まさか入れてもらえるとは思ってなかったので、私はウキウキしながら敷居を跨ぐ。

部屋のなかはあまり物がなく、小綺麗に片付けられていた。

床に座ろうとすれば、近くのベットに腰掛けることを勧められる。

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