「他の男に、傷なんてつけられやがって」女扱いしてくれない先輩に怒られ嫉妬をぶつけられる (ページ 6)

挿入された人差し指が、私の中でぐにぐにと動くのが分かる。

唇を塞いでいた掌はもう意味をなさず、今度はただ快感に耐えるように彼のジャケットをきつく握りしめていた。

「やっ、佐山さ、んっ、抜いて、くださ」

「抜いて欲しいなら自分で抵抗しろよ」

さっきみたいにと言う佐山さんの顔に隠しきれない苛つきが滲む。

そんな珍しい表情にびくりと震えると、佐山さんは苦しそうに息を吐いた。

「分かれよ、七海」

そう呟いた佐山さんが、胸元から手を離し今度は手首のミミズ腫れに触れる。

忌々しげに赤く皮膚を彩る傷を睨んで、吐き捨てるように言葉を口にした。

「他の男の跡がつくのを黙って見てるくらいなら、いっそぐちゃぐちゃにしてやる」

その一言にぞくぞくと背中が震え跳ねる。

まさか、そんな、でも、だなんて期待の気持ちが快感に変わっているみたいだ。

指の形が分かる程にきゅんきゅんと締め付けているのが自分でも分かる。

きっと佐山さんも。

「七海?」

「あ、だめっ、佐山、さん……!」

案の定私の様子が変わった事に気付いた佐山さんが、いつものように私の名前を呼ぶ。

それさえも快感を煽るばかりで、それでも気持ちを伝えなくちゃと、私は何とか震える声を口にした。

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