変態と噂の先輩に真偽を確かめるつもりが―妖艶に激しく愛される (ページ 2)

保田さんが変態だという噂ともからかいともつかない話はサークルの先輩たちの間では定番のネタらしく、類も酒の席などで何度か耳にしたことがあった。

コイツは変態だから気をつけろと言われた時には既に惚れていて、思わず苦笑したのも記憶に残っている。

「それで、何で急にそんな話を?」

「いやぁ、本当はそんな事無いのにどうしてだろうって」

実際、付き合い始めてからの保田さんはあまり私に触れてこなかった。

初めて肌を重ねたのもかなり経ってからだったし、あくまで淡白な方だったと思う。

普通なら、奥手なんだろうなと済ませられることかもしれない。

それでもこれまでの噂と組み合わせれば、もしかして自分に魅力が無いのかと不安に思うには十分だった。

「……でも!」

「うん?」

思いきって声をあげてみても、向けられる優しい眼差しに勢いがしぼむ。

こんなこと言わないほうがいいかも、はしたない子だと思われないかな。

そんな思いで顔を赤く染め、目元に涙を滲ませながらも、私は口を開いた。

「えっと、わたし、保田さんなら、ど、どんなことされてもいいですから!」

私の言葉に目を見開いて、それから視線を横に流す保田さん。

思わず俯いた私に、深々とした溜め息が刺さる。

「……あのさぁ」

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