異世界で聖女になった私は逆ハーレムで幸せになるはずだったのに、どうしてこうなった

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異世界で聖女になった私は逆ハーレムで幸せになるはずだったのに、どうしてこうなった (ページ 1)

「疲れたー…」

そう呟きながら大学の講義とバイトが終わった私は家に帰ってきた。もう夜の9時を過ぎている。さっさとお風呂入って寝よう。
そんなことを考えながら玄関の扉を開けた瞬間、突然玄関先が光った。

「え、なに!?」

あまりの眩しさに目を閉じてしまう。そうして数秒の時がたつとようやく目が開けられるようになった。

*****

そろそろと目をあけると、そこは見慣れない場所で大勢の人がいた。
その人々はファンタジー物のゲームキャラクターが着ているような不思議な服装をしている。その人々が私を見ながらなにか言っているが、正直混乱している私の耳には届かない。
いったい何が起きているのかわからず目を白黒させる私に、一人のかっこいい男性が近づいてきた。

「突然呼び出してしまい申し訳ありません、聖女様。どうかご無礼をお許しください」

そう言いながら私に頭を下げてきた。聖女様?一体何のことだろう。でもなんだかこの展開見たことがあるような…。
そこまで考えて私はピンときた。もしかして、これは今流行の異世界トリップ物!?異世界に呼び出されたり転生したりした人が色々あって最終的にイケメンなキャラクターたちに囲まれる話。

今聖女様って言っていたからこれは聖女物かしら。それならきっと私が聖女となってなんか世界の危機とかを救って、その過程でイケメンたちに好かれるのね!!なにそれ最高じゃない。
頭の中でこれから起こるであろうことを考えていたら、先ほどの男性から再度声をかけられた。

「私の名前はアレンと申します。突然呼び出されて大変混乱していると思われますが、どうか私たちの世界を救ってくださいませんか。聖女様」

そして私を呼び出した経緯を説明してくれた。どうやらこの世界には人間や魔物、妖精などが存在し、それぞれの種族はお互い干渉せず住み分けて過ごしていた。
しかし突如魔物たちが人間の住んでいる区域を荒らしてきた。そして人間の食べ物などを食い荒らすだけではなく、人間を襲ってきているらしい。
魔物たちを止めたいが自分たちの力では勝てないと悟り、遥か昔世界の危機を救ったという聖女召喚の儀式を行った。そうして呼び出されたのが私らしい。

「どうかお力をお貸しいただけませんか、聖女様」

「任せてください!あと私の名前はルリっていいます。どうか名前で呼んでください」

これはやっぱり逆ハーレムの話なのね!それなら適当に聖女様っぽいことをして世界救って、イケメンたちに囲まれて過ごせるように頑張るわよ。
そんな打算的なことを考えてアレンさんの話にすぐ飛びついた。だってイケメンに囲まれるなんて現実世界じゃありえないもの。

「ありがとうございます!それでは早速ルリ様に聖女様としてのお力をお借りしたいのですが…」

「いいですよ、なんでもやります」

そう元気よく返事をするとアレンさんはにっこり笑って、近くにいたメイド服を着た女性に声をかけた。

「ではルリ様を儀式ができるように清めてください。お願いしますね」

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