スパダリ年上彼氏がまさかの童貞。私が『はじめて』を、おしえてあげる

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スパダリ年上彼氏がまさかの童貞。私が『はじめて』を、おしえてあげる (ページ 1)

私には誠さんという自慢の彼氏がいる。

会社では頼れる優しい先輩で、上司や部下からの信頼も厚い。紳士的な性格だし穏やかな物腰で常にレディーファーストで、教養もあってマナーもある。30歳という年齢も大人の魅力が溢れててカッコイイ。

もう褒めだしたらキリが無いくらい、魅力的な彼氏なのだ。

だからきっと、セックスの時もスマートで、私の嫌がることは絶対せず、夢のように甘く抱いてくれるに違いない。

そんな期待に胸を膨らませる毎日だった。

の、だけれど…。

お部屋デートでいい雰囲気になっても、ムードのある夜景デートをしても、いつだってキスより先に進むことはなかった。

しかもキスといっても、軽く触れるだけのキス!私は、もっと大人のキスをしてほしいし、セックスだってしたいのに…。

そんな想いが溢れて、私はつい誠さんをベッドに押し倒してしまったのだった。

「絵里ちゃん?あの…」

「誠さん、どうして私に手を出してくれないんですか…もしかして私のこと、もう興味無くなって…?」

「ちがっ、ちがうんだよ絵里ちゃん」

「だったらどうして…私、ずっと待ってるのに…」

じわりと瞳に涙が滲んでくる。組み敷いている誠さんの顔に涙がこぼれ落ちそうになったところを、大きな手がぬぐってくれた。

「ごめんね絵里ちゃん。絵里ちゃんのことは大好きだよ」

「はい…」

「絵里ちゃんになかなか触れられないのは…その…」

誠さんは言い難そうに口をもごもごとさせ、視線を彷徨(さまよ)わせた。

けれど、意を決したように私を真っすぐ見つめて口を開く。

「実は僕、その…女性経験が、なくて…」

「…え?」

思いもよらぬ言葉に、私は大きくまばたきを繰り返してしまった。

「え?え?誠さん、もしかして…は、はじめ、て…?」

「う、うん…幻滅しちゃった?そうだよね、30歳で童貞なんて…」

誠さんは真っ赤になって視線を逸らす。

「就職するまでずっと勉強漬けの毎日で、就職してからは仕事に追われる毎日で…それで機会が無くて…この歳まで…」

目を逸らしてボソボソと言う、そんな誠さんを見るのは初めてで、思わず胸がキュンとしてしまう。

「絵里ちゃんのことは好きだよ。一生大切にしたいと思ってる。だから…だからこそ、セックスの仕方をしっかり勉強して気持ちよくさせてあげたくて…」

「誠さん…」

「ごめんね、淋しい思いをさせちゃったね」

そう、私を見つめながら、頬を優しく撫でてくれる。

誠さんは私に興味が無くなったわけじゃなく、むしろ私を大切に思ってくれていた…。そう思うと、私はますますキュンとしてしまった。

「誠さん…大好き…」

「ん…、絵里ちゃん…」

自然と唇がひかれあって、何度もキスをかわす。

「はぁ…誠さん、口開けてください」

「ん、んっ、絵里ちゃ…ん…?」

「誠さんが知らないなら、私が、おしえてあげますよ」

私は誠さんに優しく微笑みかけ、唇をぺろりと舐めてやった。

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