痴漢に手で口を塞がれ性感帯である首や耳、ナカも一緒に責められるいつもと違う通勤電車 (ページ 10)

私はしばらくぼうっとしていたけれど

「なぁ。もう降りる駅だろ?」

彼の声で我に返る。

「あっ……」

「随分名残惜しそうにしてくれるのな」

彼が私の首筋をきつく噛んだ。

その痛みに、再び身体が火照る。

「あの、また……」

会えますか?

そう続けたかったのに、彼は耳元で

「じゃあな」

と言った。

私の正面のドアが開く。

沢山の人が下りる駅だから、人並みに押されて振り返ることもままならない。

「ちょっと、ねぇ!あの!」

私は声をかけようとしたけれど、結局彼と思わしき男性の、頭部しか見えなかった。

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