長い片想いに疲れていた私は恋愛経験のないまま…
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長い片想いに疲れていた私は恋愛経験のないまま… (ページ 1)
「ゆまちゃんは一途だなぁ。」
軽快なピアノが奏でるジャズが小さくかかった喫茶店。
いつものタバコをふかしながら、雨宮さんは言った。
「その人のこと、何年ぐらい想ってるの?」
「5年・・・ぐらい。」
昔はこんな話してなかった。
バイト先の先輩だった雨宮さんと2人で会うようになったのは、ここ最近のこと。
私がバイトを辞めたのをきっかけに、雨宮さんはお茶に誘ってくれるようになった。
2人で会うのは、いつも、この喫茶店。
ケーキが美味しいから。と雨宮さんが連れてきてくれたのだ。
そして、私は当たり前のように毎回、美味しいケーキをおごってもらっている。
ショーケースを前に私が、わぁ!と声をあげると、雨宮さんは決まって
「子供だなぁ」
と言う。
そうなのかなぁ・・・。
そんなはずない。私だって、もうすぐ20だ。
確かに、恋愛経験はゼロに等しい。でも、原因だって自分でわかっている。
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