夏祭りにトラウマを持つ私に彼が仕掛けた願望の見え隠れする胸きゅんサプライズ (ページ 2)

仕事の帰り道、歩いているとやけに辺りが騒がしく思えた。

浴衣姿の女の子やカップルがいて、今日は港祭りの日なんだ、と私は気づいた。

「いいなぁ」と、私は楽しそうにしている人々を見て、羨ましく思った。

私にもあんなトラウマがなければ、楽しくお祭りに行けたかもしれないのに。

「ただいまー」

私が家に帰ると、健がニコニコして、玄関に待っていた。

「遅い! 薫帰ってくるの、ずっと待ってたのに!」

「なしたの?」

「はやく!」

リビングに行くとお祭りで買ってきたらしい、りんご飴、やきそば、フランクフルトに、キャラクターの風船などがテーブルに並べられてた。

「これ、どうしたの?」

「買ってきた! 薫がお祭りの行かないって言うから、家でお祭りやろうと思って。 家でならできるでしょ?」

私は健に抱きついた。

今まで意地を張っていたのが急に馬鹿らしくなった。

健が私のことを思って、やってくれたことが、本当に嬉しかった。

「ありがとう、健!」

「それで、もう一つプレゼントがあるんだけど……」

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