寡黙で人を寄せ付けない雰囲気のカメラマン―気が付けば彼の真っ直ぐな瞳に見つめられ… (ページ 2)

「勝手に撮るな、って怒られるのかとおもった」

彼が、カメラを構えたまま、近づいてくる。

それだけで、動悸がして息が苦しくなる。

(どうしちゃったのよ・・私)

目の前でピタリ、と彼が止まる。

「手を離して。肩紐も少し、落としてみて・・」

言われるまま、手を離すとはらり、とワンピースが膝に落ちる。

ゆっくりと、シルクのキャミソールの肩紐を落とす。

胸の谷間がくっきりとあらわれる。

「・・綺麗だ」

カシャカシャ

と、シャッターが落ちる。

(そんなの、い、いわれなれてる・・)

そう、自分にいい聞かせてみるが、カッと頰が赤らむのが自分でもわかる。

「少し俯いて、髪を目にかけて、隙間から上目遣いにカメラをみて・・」

さらり、と華恋の艶やかな黒髪が目を隠すように前に落ちる。

隙間から、誘うような瞳がまっすぐに、ファインダーを通して海堂を捉える。

カシャカシャカシャカシャ・・

・・・・・・

・・・

シャッターオンが止み。

いつの間にか華恋の目の前に、じっと彼女を見つめる海堂の顔があった。

耐えきれずに先に瞼を閉じると、ゆっくりと彼が近づいてくるのがわかる。

次の瞬間、海堂の唇が華恋の唇を奪い、遠慮がちに、そして次第に深く激しく交じり合う。

「ンッ・・ふ・・」

下半身がじゅん、と反応するような濃厚なキス。

(やだ・・なにこれ・・)

こんなの、知らない・・

こんな、キス・・ズルい・・

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