上司にいびられて今日も残業。会社で人気の先輩に助けてもらったけど、それには別の理由があって…

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上司にいびられて今日も残業。会社で人気の先輩に助けてもらったけど、それには別の理由があって… (ページ 1)

「明日香くん!またこの表示の仕方が間違ってるよ!」

「ああんっ、ごめんなさいい…」

明日香は、今日も上司に厳しく注意されながら仕事をしていた。

「全く…、いつになったらわかるんだね?君にはほとほと呆れているよ…」

「すみませんすみませんっ、直してから帰ります…!」

「…そうだな。まあ、しっかり覚えてくれれば何でもいいよ。そうしてくれたまえ」

「はいっ!すみません!」

明日香は、ぺこぺこと上司に謝る。はたから見たら、人によっては苛立ちを覚えるものもいれば、それを可愛いと思う社員もいた。

「……」

そんな明日香の様子を見る男性社員が、一人。

*****

午後8時半。

「ああ~…、終わんない…」

明日香は、定時から3時間たっても修正が終わっていなかった。

既に社員は全員帰社しており、一人寂しく残業をしていた。

流石に焦りを覚えた明日香は、独り言を言いながらわたわたと画面に向かう。

「…ってか絶対教わってないし。私悪くないし~!」

「…おお、独り言いえるくらいにははかどってるみたいだな?」

「ひゃっ!?」

集中しすぎて、誰かいるのに気づかなかったようだ。

声のする方を見ると、同じ部署の一番のイケメンの先輩、匠がコンビニの袋を持ってそこにいた。

どうやらずっとオフィスにいたわけではなさそうだが、どうして戻ってきたのだろう、と不思議に思った。

「匠せんぱい!どうしたんですか、忘れものですか?」

「ちげーよ。お前が心配で見に来たんだよ。ほら、おにぎり買ってきたから」

「え…っまじですか!?神すぎる…!でも、どうしてその事を…?」

「…そりゃあんなでっけぇ声で怒鳴られてたら誰でも聞こえるだろ。どれ、見せてみ?」

「あっ、ここなんですけど…」

そう言って、明日香は匠にわからないことをすべて質問した。すると、何事もなかったように匠はあっけなくその問題を解決してしまった。

「…え、こんなに簡単なことだったんですか?」

「…まあ、大体そんなもんだ。…とりあえず、よかったな」

「神様匠さま…!!このご恩は一生忘れません!」

「大げさ」

明日香は、心からの感謝を匠に伝えると、買ってきてくれたおにぎりをほお張る。

「…ほかになんか、聞いておきたいこととかあるか?…さすがに部長に毎日怒られてんの見ると、可愛そうになってくる」

「あっ、何個かあります!これなんですけど…」

明日香は、おにぎりを食べながらファイルを開く。

匠は画面に近づく。…必然的に、2人の顔が近くなった。

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