十年越しに再会した後輩と、お隣さんになってお風呂エッチしちゃいました。 (ページ 3)

　夜の静寂さとは真逆で、私の心臓はびっくりするほど大きな音を立てている。

頬を寄せた上野くんの胸からもドクンドクンと心臓の音が聞こえる。

普段聞こえるはずのない音まで届いてしまうくらいの距離に戸惑うものの離れたくはない。

「上野くん」

「…」

「私も好きだったよ」

あのとき言えなかった言葉を、大人になった上野くんの胸の中で告げた。

すると言い終わるのを待って、私を抱き寄せていた手は、頬に触れる。

しっかりと目線が交わり、そのまま唇が塞がった。

最初は触れるだけ。

角度を変えて存在を確かめるように、気持ちをぶつけ合う。

久しぶりのキスに体を固くしていると、まるで慰められるみたいに背中を撫でられた。

「ん」

一度離れたと思った唇はまた塞がれて、息継ぎをした瞬間を見逃さずぬるりと舌が入ってきた。分厚い舌で歯列をなぞられて、いたずらみたいに上顎をノックされる。

キスは止む気配がなくて、唇の端からはどちらのものともわからない、唾液が零れた。

キスに溺れて体に力が入らなくなってしまう。

するとブラウスの裾から手が侵入してくるのに気が付いた。

同時に、そのしっかりとした手首を掴む。流されて忘れていたけれど、今日は一日中働いて汗もかいている。

行為自体に合意はできても、このままというのは、さすがに抵抗がある。

「シャワー浴びさせてほしいの」

「気にしないですよ」

「私が気にするの！」

掴んでいる手首はお腹をさわさわと撫でていて、本当にそのまま行為に及ぶつもりらしい。

しかし私が語気を強めると、上野くんは一瞬思案をするような表情を浮かべた。

「じゃあこうしますね」

「え」

膝の裏に手を置かれ、とたんに感じる浮遊感。落ちないようにしっかりと抱き着くしかない。

そのまま連れて行かれたのは脱衣所だった。

「シャワー。浴びればいいんですよね？」

流れるような動作で、ファスナーが開かれスカートはそのまま床に落ちた。パンストに手がかかったが、その手を制す。

ここまで来た以上覚悟はできている。意思表明のように、慣れた動作でパンストとショーツを脱ぎ捨てて、ブラウスとブラジャーも脱衣所に落とした。

「一分だけ待っててね」