溺愛系幼馴染アイドルとの秘密の恋愛~やさしくリボンを解いて~ (ページ 2)

袋からリボンを出してみると、するするとしたサテンが指先に気持ち良い。

リボンの生地自体も分厚く、しっかりしたもので高級感がある。

「今日の撮影はどんなやつだったの?」

「んー、来月の雑誌に載ると思うけど…。リボンでラッピングされる、みたいな感じ。でもかわいいよりは、大人っぽい雰囲気かな?」

リボンを手に絡めながら圭介が微笑む。

「きれいな緑色だね。濃くて深くて、落ち着く色」

圭介みたいな色だな、と思ったけれど口には出さないでいると、圭介がぽつりとつぶやいた。

「そうだね、緑茶の葉っぱみたい」

思わず吹き出すと、圭介が真面目な顔で妙にきっぱりと言った。

「お皿洗っとくから、お風呂入ってきて」

*****

ゆっくりとお湯に浸かり、髪もしっかりと乾かして歯磨きも済ませてバスルームから出てみれば、圭介はもうすでに寝室にいた。

間接照明だけをつけて本を読んでいる。

「もう寝るの?」

圭介のとなりにするりとすべりこんで聞くと、ぱたりと本を閉じた。

「琴乃、おいで」

そっと圭介に抱き寄せられる。

優しい見た目と裏腹に、意外と背が高くてほどよく筋肉のついた身体に抱きすくめられると、男の人なんだなあと感じて、思わず心臓がはねた。

「琴乃、いい匂いする」

髪の毛を指先でくるくるといじりながら、すんと匂いをかがれた。

「…圭介もいい匂いだよ」

胸元に顔を埋めるとくすぐったいのか、圭介がくつくつと笑った。

ぎゅっと抱きしめられながら、上から圭介の声が降ってくる。

「ねえ琴乃。やりたいことあるんだけど、いい?」

控えめな声だけれど、有無を言わさぬ雰囲気に思わずうなずいた。

*****

圭介の手元にはさっきの緑色のリボン。

幅広のリボンがしゅるしゅると器用に私の目元を覆う。

二重に巻きつけて、うしろでゆるく結ばれた。

「ん、できた」

圭介の満足げな声に視覚を奪われた私は少し困惑する。

「やりたいことって、これ?」

「そう」

「…へんたい」

頬を膨らませてそう言うと、圭介が低い声で耳元で囁く。

「そんな俺のことが好きなんでしょ?」

「んっ」

頭の後ろに手が伸ばされて、唇が重なった。

そっと控えめに、ついばむような優しいキスが繰り返される。

視覚を奪われているせいか、ちゅ、ちゅ、と落とされるリップ音が耳に残り、思わず顔が熱くなる。

圭介の手でやさしく頭を撫でられながら何度もキスを重ねるうちに、そっと舌でくちびるを割りひらかれた。

「っん…」

くちゅ、と耳に水音が響く。

圭介の舌が熱く絡まって、口内をかきまぜられた。

唇を離そうとしても、すぐにまた追いかけられてつかまえられる。

圭介の手が私の両耳をふさぐと、口内で絡み合う音がより鮮明に鼓膜に響いて、思わず身体が火照った。

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