どん底の私を励ましてくれた店員さん。勇気を出して彼に告白すると…

キャラクター設定

登場人物をお好きな名前に変更できます。

milkyに掲載の小説は当サイトが契約した作家によるオリジナル作品であり、著作権は当サイトにて保持しています。無断転載、二次利用は固く禁じます。不正な利用が確認された場合、法的措置を取らせていただきます。

どん底の私を励ましてくれた店員さん。勇気を出して彼に告白すると… (ページ 1)

「篤志さん!好きです!付き合ってください!」

フラれることはわかっている。

でも言わずにはいられなかった。

今日は、篤志さんがコンビニを辞めてしまう日だから。

篤志さんとの出会いは、半年前。

ブラック企業を辞めて病んでいた私に、唯一優しく声を掛けてくれたのが彼だった。

「顔色が悪いですけど、大丈夫ですか?」

家族でさえ、そんな優しい言葉を掛けてはくれなかった。

新卒で入った会社をたった三ヶ月で辞めて、皆に責められたばかり。

実家に戻ることも許してもらえない。

この先どうしようって、お先真っ暗で、頼れる友人もいなくて…。

「だ、大丈夫です。ありがとうございます…」

そう返しながら、私は思わず泣き出してしまった。

篤志さんは驚いて、私をコンビニの休憩室に案内し、ずっと話を聞いてくれた。

そのおかげで、どれだけ心を救われたか。

あの日から、私は篤志さんに片思いをしている。

篤志さんは私と同じようにブラック企業に病んで退職。

求職活動をしながらコンビニでバイトをしているのだと言う。

「美野里さんの顔を見たらあの頃の俺と同じだなって思って、放っとけなかったんだよ」

それからも何度か一緒に食事に行ったり、お互いの求職活動について励まし合ったり…。

篤志さんの優しくて穏やかな人柄を知るうちに、どんどん惹かれていった。

数週間前に彼の就職が決まって、お祝いして…。

そして、今日は彼の最後の出勤日。

明日からは、もう今までのように気軽には会えない。

だから伝えようと思った。

私みたいな何の取り柄もない女じゃ、フラれることはわかっていたけれど。

一つの恋に区切りをつけよう。

そう思っていたら…ぎゅっと抱き締められた。

「え…?」

「嬉しい。俺も、ずっと美野里さんのことが好きだったから」

夢でも見ているみたい。

ずっと片思いだと思っていたのに、まさか両思いだったなんて!

嬉しくて泣きそうになりながら、私は彼にしがみついてキスをした。

そして、そのまま彼のアパートへ向かった。

コメント (0)

コメントを書く