誰もいない夜中のオフィスでひとりえっちしていたら警備員の男の子がやってきて……? (ページ 2)

「……んぅっ」

指がクリトリスを掠めたとき、背筋を駆け上がっていく快感に、思わず少しだけ声が漏れてしまった。
いつも家でするときよりも、感度がよくなっているみたいだ。
みんなが真面目に働く場所で、みっともなくオナニーしている自分に興奮が高まっていく。
まだ少ししか触っていないのに、息が上がる。

「はぁ、んっ……ぁっ」

もう待ちきれなくて、愛液が溢れる密壺に指を入れた。
生理前のせいか、ナカは熱く、やわらかい。
自分の気持ちいいところは把握しているから、少し焦らすように、ゆっくりとそこへ指を伸ばした。

——そのとき。

「なにしてるんですか?」

背後から声が聞こえて、私は弾かれたように振り向いた。
自分でも驚くほど一瞬でスカートの中に入れていた手を引き抜いて、後ろ手に隠した。

「あ、え、えっと、……」

後ろを見ると、警備員の制服を着た男性が立っていた。
このオフィスビルの警備員をしてくれている、警備会社の男性。
若くて、いつも笑顔。
オフィスで働くみんなに気持ちよく挨拶をしてくれるから、女性社員の間では人気が高い。彼が出勤している日はラッキーだ、なんて言う同僚もいるくらいで、私も顔に見覚えがあった。
片手に懐中電灯を持っているから、深夜の巡回などで歩いていたのだろう。
今までこんなに遅くまで残業したことがなかったから、警備会社の巡回があることに気づかなかった。
もしかして、見られていた?

私は苦し紛れに声をかける。

「こんなに遅くまで、お疲れ様です」

少し声が震えたけど、なんとか仕事モードの声で話すことができた。
彼も私に向かって、いつもの爽やかな笑顔を返してくれている。

「ありがとうございます。由佳さんも、お疲れ様です」
「え?……あ、はい」

今、名前を呼ばれた?
私の方は一方的に警備員さんの顔を知っているけれど、このビルで働いている社員のひとりでしかない私の名前を彼が知っているのはおかしい。
動揺してつい、煮え切らない返事をしてしまった。

「どうかされましたか?」
「あ、いえ。まさか名前を知ってくださっているなんて、思わなくて」

二人きりのオフィスだから、慎重に言葉を選んだ。
なにかあっても、警備員である彼と私しかここにはいない。

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