既婚者の元カレと久々の再会!カップルシートでのイチャイチャだけではやめられず…

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既婚者の元カレと久々の再会!カップルシートでのイチャイチャだけではやめられず… (ページ 1)

「よう、久しぶり」

諒平のはにかんだ笑顔に懐かしさを覚える。もうあれから6年は経っているというのに。

彼の温かい眼差しが変わっていないことに胸の鼓動が速くなった。そのことに気づかないフリをしながら、由奈は笑顔でお待たせ、と返す。

今日は木曜日。土日休みの仕事に就く二人にとって、飲み会を開くには中途半端な曜日だ。

それでも、予定が合うなら早く会いたいと言ったのは由奈の方だ。

諒平と別れた数年後、元々事務職でつまらない日々を過ごしていた由奈は彼氏のいない身軽な気持ちもあってか、心機一転、事務職とは180度異なる営業職へとジョブチェンジすることにした。

しかし転職した先で2番目に由奈の上司となった、50代で白髪混じりの禿げ親父にセクハラ紛いの扱いを受け、由奈の毎日は一気に暗雲が立ち込めはじめた。

そんな中、蜘蛛の糸がぶら下がってきたかのように、ふとSNSの写真と文字が由奈の目に飛び込んできたのだ。

それは、諒平とおそらく同僚の男性たちと思われる笑顔の写真。その下のコメントには、諒平が今、転職を支援する仕事についているという説明文と「相談事があればいつでもDMください」というメッセージ。

由奈はそのメッセージに縋るように諒平へDMを送っていた。

『助けてほしい』

そう思わず由奈はDMに綴っていた。切羽詰まっていると感じたのか諒平はすぐに、会おうと言ってくれた。DMを送ったのはつい2日前のことだ。

「変わってないな、由奈」

笑顔を崩さないまま、諒平に見つめられる。彼はすっと由奈が肩にかけていた大きめの紙袋を持った。仕事で使う資料が入っているため、男性でも重く感じるはずだ。

「え、いいよ。そこまで重くないし、別に付き合ってるわけでもないんだし……」

「そんな寂しいこと言うなよ。で、どこ行く?」

「えっと、それじゃぁ、付き合ってた頃によく行った、イタリアンバルはどう?」

「どうせ、海老のアヒージョ、パンおかわりしまくるんだろ」

「パンばっかり頼むのは私じゃなくて、諒平でしょ!」

二人で軽口を叩いていると、付き合っていた頃に時間が巻き戻され、現実を忘れてしまう。彼がもう結婚していて、二人の子どもがいる既婚者だってことを。

*****

目的のバルは二人で待ち合わせていた駅から徒歩5分。木曜日だから空いているだろうとふんでいたが、テーブル席は満席で個室のカップルシートしか空いていないと言われた。

由奈はフリーだが、諒平は既婚者だ。そのことを思って別の店に行こうと思ったが、諒平は店員へ、いいですよとすぐに答えてしまった。

席についた途端、ぐっと距離が縮まる。

由奈のストッキング越しに諒平の硬い膝が当たった。彼は気にしていないようで、男らしく大股を開いて座っている。膝から伝わる熱が嫌じゃなくて、由奈はその密着を剥がさないことにした。

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