プールで彼が鬼コーチに豹変!サウナでハニートラップを仕掛けてみたら…

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プールで彼が鬼コーチに豹変!サウナでハニートラップを仕掛けてみたら… (ページ 1)

「来週の休みの日にプール行かない?会社で加入してるスポーツジムのプールなんだけど」

鶏挽き肉を湯掻きながら、拓海が私に聞いた。

「いいね、行こ」

私は香菜と葱を刻む手を止め、拓海にコランダーを渡す。

彼氏の拓海とは、つき合い始めて約3ヵ月。

ほとんど同棲してるみたいに、拓海の家に入り浸っている。

私が土日休みなのに対して拓海はシフト勤務なので、同じ日に休めることが少ないからだ。

拓海はランニングをこじらせたトレーニングオタクなので、毎日のルーティンと、きちんとした食事にこだわりがある。

早起きして走ってから仕事に出かけ、帰ってきてふたりで料理をして、夜はゆっくり過ごすという生活にすっかり慣れてしまっていた。

拓海の今週の休みも平日だったけど、私には休日出勤した分の代休があったので、どこかに出かけようという話になっていた。
 
泳ぎはあんまり得意じゃないけど、休日のデートは久しぶりなので嬉しい。

「水着買わなきゃ。ジム用の持ってないから」

「じゃあ、一緒に買いに行こうよ」

「私、買い物長いからひとりで行ってくるね」

危ない危ない。

この前、トレーニングウェアを一緒に買いに行ったときに、試着室で襲われかけたので、水着なんか買いに行ったら大変だ。

「由季の水着姿、早く見たいのに」

「それは当日のお楽しみ」

もっと、あられもない姿を見慣れてるはずなのに、なぜ水着姿を見たがる?

「よし。あとは混ぜるだけ」

鶏挽き肉と春雨に砕いたピーナッツと香味野菜を混ぜ、ナンプラーとレモン汁のドレッシングで和え、レタスときゅうりの上に乗せる。

タイ風鶏挽き肉のサラダが完成。

拓海はこれに山盛りのご飯つき。

「さ、食べよ」

ああ、料理上手な彼氏がいて幸せ。

*****

女子更衣室を通ってプールまでたどり着くと、拓海はプールサイドでストレッチをしていた。

ついさっきまで一緒にいたのに、こうやって遠目に見ると、やはりかっこよくてつい見とれてしまう。

平日のせいかプールはそれほど混んでいなかった。

「由季、それすごく似合ってる」

「え、ありがと」

新しい水着は、スポーツブラとビキニショーツのボタニカル柄のセットアップで、自分でもけっこう気に入っている。

「じゃあ、俺ちょっと泳いでくるから、由季はこの辺で遊んでて」

プールは、連続して長距離を泳ぐ人のためのコースと、自由に使える初心者用のエリアに分けられている。

一緒に来たのに放置?

と思ったけど、拓海は泳ぐために来たんだろうし、まあしょうがない。

ストレッチでもするか。

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