私の彼は画家。今回はボディーペイントの依頼が来て、試し描きの練習台になった私は…
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私の彼は画家。今回はボディーペイントの依頼が来て、試し描きの練習台になった私は… (ページ 1)
私は芽依。26歳で、カフェ店員をしています。
私には4つ年上の彼がいます。
正輝さんといって、画家をしてます。
芸術鑑賞が趣味の私は、市の美術館でたまたま開かれていた個展を見て、あまりに世界観のある作品に衝撃を受けたのを今でも覚えています。
感動のあまり固まっている私に声をかけたのが正輝さん。
彼が個展を開いた主だと知って、記者ばりに色々聞きまくって正輝さんを困らせて…
自分がカフェで働いていることを話したら、コーヒー好きな正輝さんが後日足を運んでくれて、そこからちょこちょこお付き合いが始まりました。
あれからもう2年経って、出会った頃より正輝さんも名が売れてきました。
最近は、ボディーペイントの依頼が入るようになりました。
マタニティペイントだったり、お祭りでブースを作ったり、時にはテレビやSNSの企画などなど。
制作に入ると人間らしい生活から離れてしまう正輝さん。
不摂生になったり、2、3日お風呂に入るのを忘れて制作に没頭したり、髪も髭も伸ばしっぱなしになったり…
正輝さんの集中力には本当に驚かされます。
ここの所は、SNSの影響で外に出ると月に一度は声をかけられるようになりました。
SNSをあまり好まない正輝さんは、SNSを管理してくれるマネージャーさんを雇っています。
「芽依、ちょっといい?」
「はい!何でしょうか!」
ちょっといい?と聞いてくる時は、大抵お仕事絡みの話題です。
低くてすこし掠れた、心地のいい正輝さんの声にうっとりしてしまうのを、ハッとして気を正す。
「来月、またボディーペイントの仕事が入ったんだ。それで練習させて欲しいんだけど、いい?」
「…はいっ!もちろんです!」
「ははっ、芽依、もう顔赤いよ?」
それもそのはず。
だってボディーペイントの時、私は裸にならないといけないんです。
背中とか広さのある1箇所でいいのでは?と最初は思ったんです。
体の凹凸は人それぞれ全然違うから、色んな場所でしたい、とお願いされて毎度裸ですることになったのです。
正輝さんが手早く道具の準備をしていく…
並ぶ絵の具や筆を見て、私はお腹の奥がキュッとなるのを感じます。
でも、今日はいつもと違う道具もある…?
「正輝さん?このスプレーボトルは一体何が入ってるんですか?」
準備の手を止めて私に向き直った正輝さんは、妖しい笑顔を浮かべたんです。
「あぁ…これね、エタノール」
「…?どう使うんですか?」
「それはこれから使いながら説明するね」
そう言って正輝さんはものの5分で準備を終えました。
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