心も身体も癒やしてく…紳士的な彼が見せたちょっぴり強引な一面 (ページ 2)

「帰らないで、明利さん」

午後10時すぎ、いつもの様に時計をちらりと見て「じゃあ、あとでまたメールするから」と立ち上がりかけた明利さんを、私は覚悟を決めて引き止めた。

「あ、あの、泊まっていってよ」

私の言葉に、明利さんがぎょっとしたのがわかった。

付き合い始めて半年近く。

私達はまだ、肉体関係を持っていない。

最初は彼が私を大事にしてくれている気持ちの表れだと思って、単純に嬉しかった。

でも月日が経つうち、彼は元カレにひどい目に遭わされた私に遠慮しているんだって事がだんだん分かってきた。

あの飲みの席で元カレが話した内容を考えれば、私がセックスを嫌いになっただろうと思うのも無理はない。

確かに元カレとのセックスは苦痛以外の何物でもなかったけど。

でも、でも明利さんは、元カレとは違う。

「早織……あのさ」

「抱いて欲しいの」

直球を投げつけた私に、取り繕おうとしていた明利さんが口を閉じた。

「明利さん、私に気を使ってそういう話題全然出してこないけど、私平気だよ。明利さんとなら……」

「でも、俺の勝手な欲をぶつけて早織を怖がらせたらと思うと、俺は平気じゃないよ」

私がまっすぐ気持ちをぶつけたからか、彼もまっすぐに答えてくれる。

そういうところが、本当に好き。

だから私は、この人に抱かれたい。

「私も望んでるなら、『勝手な欲』じゃないでしょ。それとも明利さんは、私としたくないの?」

ぎゅっと抱きついて、真剣に尋ねる。

明利さんは困った顔をして……それから観念したように笑った。

「したいよ。早織のこと抱きたい、すごく」

強く抱きすくめられると同時に、耳に熱い言葉が吹き込まれた。

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