人気俳優に溺愛されて秘密の恋。私、だたのハウスメイドだったのに…
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人気俳優に溺愛されて秘密の恋。私、だたのハウスメイドだったのに… (ページ 1)
新卒で入って4年、突然会社が倒産した。無職になってしまった事に頭を悩ませていた、そんな私のところに従兄から「仕事探してるなら、ハウスメイドやらないか?」と唐突に連絡が入った。
家事をするのは好きだったし、料理も得意だと胸を張れる。だが…
「給料が破格すぎる、怖い」
従兄から提示された金額は、職業案内で調べた一般的なハウスメイドのお給料の倍以上だった。絶対に、絶対にあやしい案件でしかない。うまい話には何かあるんだと従兄の話を怪しんでいれば彼は慌てたように条件の理由を話してくれた。
「…つまり、一般人の家じゃないから口止め料込ってことか」
「そう。頼むよ~~優里奈、大好きな従兄のお兄ちゃんを助けると思って」
私に縋るように頭を下げる従兄に私は仕方がないと息を吐いた。従兄の職業は芸能マネージャーで、担当している芸能人の生活能力がそれはもう悲惨なのだという。
従兄がどうにかできればいいのだが、従兄とて他にもやらねばならぬ仕事があるわけで…会社の許可を得て、私をハウスメイドとして雇うという話になったという事だった。
そうして、私は従兄に指定されたタワーマンションに訪れたわけだけど…
「悲惨すぎる」
「…だろ?オレじゃ手に負えないんだ」
芸能人だから部屋もおしゃれで綺麗で…なんていうのは一部なのだ。折角の御洒落な家具とタワーマンションがきっと泣いている。とりあえず筆舌に尽くしがたい部屋のありさまだったのだ。
「マネくん~おはよぉっす」
「ひっ」
「ちょ、ちょっと貴明くん! 服!服着て!」
「あ、ごめんごめん。どれ洗濯してあったっけ?」
ぬっという効果音が似合ういで立ちで出てきた男性は筋肉質の体を惜しげもなく晒し、寝ぼけ眼で風貌と似合わないおっとりとした口調で従兄へと話しかけた。私は、ほぼ半裸の男に思わず小さく悲鳴を上げてしまったが、服を散乱した山の中から探す仕草に怖いとか裸とかもはや気にならなかった。
兎に角、早く掃除がしたいっ!私はもう耐えられなくてそれを従兄に伝えると挨拶もそこそこに部屋の中を一気に掃除した。
「おぉ、床がある!なんか、空気が綺麗な気がする」
「さすが、優里奈~~!」
何時間か掛かるかと思ったが、物が散乱しているだけで根本的な部分はそこまで汚れていなかった。だから2時間ほどで掃除を終えることができ、私達改めて話をするためダイニングで顔をつき合わせた。
従兄がこの部屋の主の隣に座り、
「こちら、この部屋の持ち主の貴明くん。オレの担当の子」
従兄の紹介に彼がにっこり笑いながらさっきは変な所をみせてごめんね?と小首をかしげる。筋肉質で大柄な身体に不釣り合いな仕草は、まるで大型犬だ。
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