ナンパから助けてくれた金髪ピアスのお兄さんを逆ナンしたら、泣き顔好きの絶倫で…

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ナンパから助けてくれた金髪ピアスのお兄さんを逆ナンしたら、泣き顔好きの絶倫で… (ページ 1)

赤い提灯、白い月明かり、濃紺の空にハイライトされた桜。
遅れに遅れた桜の開花を待ち望んだ人達が一斉に夜桜を摘みに宵を楽しんでいる様子が所かしこで見ることが出来た。

恋人だったり友人同士だったり、そうやって春の訪れを皆が楽しんでいる中、私だけはそこから切り離されたような、そんな気持ちでとぼとぼと歩いていた。

「あれれ、お姉さん一人?一緒に飲んでいかない?」

「ぇ、あ…いや…」

ふいに掛けられた声にビクリと肩が跳ねる。大学生くらいの酔っ払い男性2人が眼の前に立っていて思わず立ちすくんでしまう。春の陽気とお酒で浮かれてしまっているのだろうが、私はこの人の迷惑を汲み取れないタイプが本当に苦手だった。

嫌です、いいです、ごめんなさいと拒否三段活用をしてみたけれどまったく引く様子がない2人はあろうことか無遠慮に私の身体に手を触れさせた。

「お姉さんちっさいのにおっぱい大きくていいね」

「かわいー、ねーいいじゃん、ね?お酒飲むだけだから~」

「いや、ホントに無理だから」

肩を組まれ、腰を抱かれ鼻先にアルコールの匂いが掛かる。いやもうほんとに最悪だ。ただでさえ孤独感にさいなまれて泣き出しそうだった所にこの追い打ち。じわりと目尻が熱くなった時だった。

「なぁにしてんの?ナンパ?見る目あるねー」

ぬっと影が落ち、私も私に絡んでいた学生2人も上を見上げる。身長は180㎝は越えている細いが長身の男性がそこに立っていた。身長の圧もさることながら月の光をキラキラと反射する金髪にバチバチのピアス。

どこからどう見てもちょっとやばそうな風貌の男の登場に私に絡んでいた2人からすっとアルコールが抜けたような気がした。

「いや、あのえーっと」

しどろもどろになっている学生を押しのけて、金髪の男性が私の体をぎゅっと抱きとめる。細いと思ったけど胸板は思いのほかガッシリと分厚い。

「でも残念、この子オレのなんよ~。だから…他あたってくんね?」

ぐっと低い声が喧噪の中でもクリアに聞こえる。さーせんしたぁあと駆けていく学生2人の背中を私はぽかんと見送って、それからおずおずといまだ私を腕に抱いている男性へと視線を向けた。

「だいじょーぶ?」

こてりと首をかしげる仕草は風貌も相まってかちょっと怪しい。大丈夫です…といいながらもじわじわと目尻の熱が決壊していく。

「あらら、怖かったねー。いや、まって、オレが怖い?えっと、えっと、ちょっとこっち来てー」

道端でいきなり泣き始めてしまった私の手を取って彼は大通りを少し避けた小道に私を連れていった。

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