セカンド女を拾った優しい白タクくんに、愛されエッチで溶かされちゃう温泉デート (ページ 3)

それから、タクと私は朝の電車で会うと、言葉を交わすようになった。

飲み会で遅くなる時には、タクに連絡を入れて家まで送ってもらい、休日にはアウトレットに連れて行ってもらった。

一日買い物につき合ってもらって、カフェで延々と話しをして、久しぶりに楽しい休日を過ごした。

よく考えたら、予定のほとんどを彼のために空けてあるので、気軽に会える女友達まで失っていた。

彼からは時々彼女の愚痴めいたメッセージが届き、相談に乗ってはいたけれど、会おうとは言ってこないので彼女と上手くいっているのだろう。

とはいえ、やはりまた彼女と何かあったら、会いに行ってしまうのだろうとも思う。

大切にされていないことは、わかっているのに。

*****

ある月曜日のことだった。

朝、駅のホームで電車を待っていると、いつもの時間にタクが来ていないことに気づく。

翌日もタクに会わなかったので、メッセージを送ると、地方の支社に研修に行っていて、金曜には戻ってくるということだった。

タクと会えない日が続くとなんとなく調子が狂う。

その週の金曜日は、タクに会いたいというだけの理由で、気の進まない飲み会に参加した。

「タク、久し振り」

迎えに来てくれたタクに、会いたかった、と言っていいものか迷い、続く言葉を飲み込む。

「今日鈴香に会えてよかった」

そんなことを、臆面もなくさらりと言われると、思わずドキッとしてしまう。

タクに話したいことはたくさんあるのに、あっという間に家に到着してしまう。

車を停めてからも話し込んでいたら、タクのスマホの通知音が鳴る。

「鈴香ごめん。待ってる人が何人かいて…」

「引き止めちゃってごめんね」

このまま別れたくなかった。

「終わったら連絡して。どっかで話そ」

「わかった。じゃあ行ってくる」

それから1時間ほど後に、ソファでうとうとしていると、タクからメッセージが入った。

―今日はもう遅いから、明日ひまだったらドライブに行かない?

―行きたい!

―10時ぐらいに迎えに行くね。

―了解。

はやる心を抑えて、眠りについた。

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翌日、タクは10時ぴったりに私を迎えに来た。

「日帰り温泉とかどう?ちゃんと男湯と女湯が別れてて日帰りで利用できるとこがあって…」

いつもと違って緊張気味で、言い訳っぽくそんなことを言うのがなんだか可愛い。

「それ賛成!」

お風呂の道具なんて持ってないけど、いいことにする。

「ところで、ずっと聞こうと思ってたんだけど、鈴香って彼氏いるの?」

「タクには彼女いないの?」

質問を質問で返して逃げた。

「いないよ。男ばっかりの職場だし、下戸だから飲みに誘ったりもできないから。鈴香は?」

「彼氏いるんだ。でも私はセカンドで、彼には本命の彼女がいる」

「ちょっと、何なんだよそれ。鈴香がセカンドなんて、納得いかない」

「彼女といつも揉めてるから、私が支えてあげないとだめなの」

「そっか」

「じゃあさ、俺が鈴香のセカンドに立候補してもいい?そんな彼氏とつき合ってたらストレスが溜まるよね」

「それはだめ。タクはちゃんとした彼女をみつけて」

心にもないことを言ってしまった。

そんな人、見つけてほしくない。

それからしばらく、タクは黙ったまま車の運転を続けた。

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