長年諦めきれなかった血の繋がらない妹への想いが爆発した夜

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長年諦めきれなかった血の繋がらない妹への想いが爆発した夜 (ページ 1)

「ふぅ〜!お兄ちゃんありがとう!すごく助かる!」

「はいよ。…にしても、荷物多すぎだぞ椿」

「女の子ですから!それにこれでも減らしたんだからね!」

今日は引越し。

地元からは新幹線の距離だ。

幸い、兄の健人が車で20分のところに住んでいたため、引越しの荷解きも手伝ってくれている。

就職で出てきた、土地勘もない場所。

(しばらくは買い物やら何やら、お兄ちゃんに頼ることも多くなるんだろうな〜)

兄とはいっても、血は繋がっていない。

小さい頃から一緒にいるから、違和感はないが。

椿は、引越しを健人に手伝ってもらうことに躊躇していた。

というのも、高校の時、同じクラスの男子から告白されたことを浮かれて健人に話してから、妙に距離感ができてしまっていたからだ。

不機嫌になった健人に、シスコンかよ!とつっこんだ椿だったが、不機嫌なまま椿を避けるようになったため椿もどうしていいか分からなかったのだ。

両親が出先で事故に遭い椿が高校2年の時に他界したのだが、貯金や保険金等もあり、ひとまず進学に困ることはなかった。

健人は大学卒業の年だったため、学費の工面はこちらも困らなかった。

健人は大学進学時に上京していたので、椿は近隣住民に見守られながら高校を卒業したのだった。

椿の誕生日と、両親の命日には健人も帰ってきたため、年に二度は顔を合わせていた。

そして、椿の就職を機に、実家も売った。

長年暮らしてきた場所が無くなるのは寂しかったが、健人も椿も離れ、管理するのは大変だからと話し合って決めた。

だから、この実家の売り払いと引越しの期間に高頻度で会っていた健人と椿は、少しずつ会話や笑顔も増えていたのだった。

「お兄ちゃん、疲れたね〜!お腹空いた!出前でおそば取ろうよ!」

「だな。朝からこき使われてクタクタだ。引越し祝いに俺が払うよ」

「やった〜☆ゴチになります!」

*****

「はぁ〜!美味しかった!ご馳走様お兄ちゃん!」

「はいよ。よし、じゃあ片したら俺は帰るな。風呂もサンキュ」

腰を上げ手際よく片付け出す健人。

「え!?こんな遅いんだからお兄ちゃん泊まっていきなよ!」

おもむろに怪訝な顔をして振り向く健人。

「いや、まだ終電あるし帰るよ」

《風呂上がりでいい匂いさせてこんな薄着でいられたら俺が平常でいられない。襲いかねないのにいつまでもいられっか》

少し考えてピンときた椿。

「あっ!もしかして彼女さん待たせてる!?ごめんお兄ちゃん!」

「…はー…彼女なんていないよ」

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