初恋の彼と同窓会で再会した私。しかも彼の方から話しかけてくれて…!?
キャラクター設定
登場人物をお好きな名前に変更できます。
milkyに掲載の小説は当サイトが契約した作家によるオリジナル作品であり、著作権は当サイトにて保持しています。無断転載、二次利用は固く禁じます。不正な利用が確認された場合、法的措置を取らせていただきます。
初恋の彼と同窓会で再会した私。しかも彼の方から話しかけてくれて…!? (ページ 1)
中学校の入学式で一目惚れ。
凜とした、大人びた横顔が格好よくて、私はあっという間に恋に落ちた。
初めての恋だった。
隣の席が彼だとわかった時は嬉しくて嬉しくて、席替えもクラス替えも永遠になければいいと思ったっけ。
でも、幸せな時間はあっという間に過ぎていった。
彼とは一言も話せないまま、クラス替えで離ればなれに。
私の恋は静かに終わった。
そんな彼と、今日は十年振りの再会。
「よお康介、久しぶりじゃん!今何やってるの?」
「今は起業の準備してる。レストランやりたくてさ~」
「えーすげえ!経営者になるってことか?やるな~」
康介君は相変わらずクラスの人気者で、皆に囲まれて楽しそうに笑っている。
私は隅っこでちびちびお酒を飲みながら、その様子を眺めていた。
あの頃と何ら変わらない構図。
社会人になっても、私は意気地なしのままだ。
ただ見ているだけで、話しかけることもできない。
もしかしたら、私の名前なんて忘れちゃってるかも。
一生懸命、おしゃれしてきたのにな…。
涙が出そうになるのをごまかすように、私は勢いよくビールを呷った。
そうしてしばらくの間、一人でお酒を飲んでいると…。
「久しぶり。隣の席いい?」
「えっ…康介君!?」
「へえ、ビール飲むんだ。意外だな。お酒好きなの?」
「う、うん…。ほんとは、ビールより焼酎が好きだけど…」
「おお、すげえ。焼酎好きな女子初めて会ったわ。ていうかめちゃくちゃ綺麗になったよな?」
「そ、そう?」
おしゃれ頑張ってよかった…!
康介君の方から話しかけてくれて、心臓が飛び出そうなほど驚いたし嬉しかった。
めちゃくちゃ緊張したけど、お酒の力もあって、ぽんぽん言葉が出てくる。
実際は、多分十分、十五分くらいの短い時間。
でも、一生忘れられないくらい楽しくて、濃密な時間だった。
ずっとこんな時間が続いてほしいって、願ってしまうくらい。
「おーい、そろそろ次の店行くぞー!」
「もうそんな時間か…。なあ、連絡先教えてもらっていい?住んでる場所近いんだしさ、また会おうぜ」
「う、うん!」
同窓会がお開きになる頃、康介君の方から連絡先を聞いてくれた。
なんだか、まるで夢を見ているみたい。
これだけでも、私にとっては特別で幸せで十分過ぎる出来事だった。
なのに、まさかその数日後…。
「康介君…こ、こんなの、恥ずかしい…」
「大丈夫。すげえ綺麗だから。恥ずかしがってる顔も可愛い」
ラブホテルで押し倒されることになるなんて、思わなかった。
コメント (0)