丁寧に仕込まれ1日かけてじっくり温め熟された体をぺろりといただかれる
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丁寧に仕込まれ1日かけてじっくり温め熟された体をぺろりといただかれる (ページ 1)
午前中の多忙を気合でなんとか切り抜ける。昼休みの12時半を時計が指したところで私は勢いよく席を立った。休憩行ってきます、の声が震えていないかどうか心配になる。冬の寒空を大股でずんずんと歩き、マイカーの運転席へ飛び込むようにして座り、彼へと電話を掛けた。
「やあ、お仕事お疲れ様」
2コール目で彼、信行の陽気な声が聞こえてくる。ソファで寛いでいるのだろう、その声はとても穏やかだ。サラリーマンである彼は最近導入されたテレワークにより、一週間の大半を自宅で過ごしている。今日も行ってらっしゃいと見送られる形で家を出た。
同棲を始めたばかりの頃は、遠くのオフィスに向かうべく朝早くに家を発つ彼に、行ってらっしゃいと言えるのがただ嬉しくて仕方なかった。今、その立場が逆転し、彼は毎日ウキウキで私を玄関まで見送り、行ってらっしゃいと頭を撫でてくれる。
もっとも、今日の彼が「ウキウキしている」のはそれだけが理由じゃないのだけれど。
「どう? キツくない?」
「もう! 言わせたいの? キツいに決まってるじゃない」
出かける前、今日の信行は私に悪戯をしたのだ。私はその悪戯を受け続けている途中、というわけ。信行に言わせればこれは悪戯ではなく「仕込み」らしいのだけれど、そんなものに一日中付き合わされている私としては正直、堪ったものじゃない。
自宅のソファでくつろぎながらテレワークのできる信行と違って、こっちは人の目の沢山ある会社での仕事なのに!
「痛くはないでしょ? いい感じになるように加減したからね」
「でも朝からずっとよ、お腹のあたりとかもう痒くなってきちゃった」
「痒い? いいね。絶対取ったりしちゃダメだからね。最後まで俺がやらなきゃ意味がないんだから」
分かったよ、と苦笑しながらOKを出す。余裕のある風を装って喋っていたけれど、正直今の私は限界に近かった。信行は何が楽しくてこんなことをするんだろう。分からない。分からないけれど夕方までの辛抱だ。夕方になれば「これをほどいてもらえる」のだから。
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