嫉妬した私に欲情したカレが、社内で強引に…!流されたくないのに!

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嫉妬した私に欲情したカレが、社内で強引に…!流されたくないのに! (ページ 1)

「ソウタ~!これ、差し入れ」

「お〜、サンキュー」

「ソウタって昔からこれ好きだよね」

「よく覚えてんな〜」

「当たり前でしょ、幼馴染なんだから」

そう言って笑い合う2人を、対面に座っていた私は頬杖をついて見つめる。

恋人同士でもないくせに、妙に距離が近いソウタと、その幼馴染。

(ていうか、ソウタの恋人は私なんですけど…!)

「ヒナ先輩もどうぞ~」

そう言って目の前に差し出してきたエナジードリンクを、私は笑顔を貼り付けて受け取る。

「ありがとう」

そう言うと、満足そうに幼馴染はソウタの元へと駆け戻る。

うちの会社に派遣社員としてやってきたソウタの幼馴染は、少し前に紹介されたんだけど、名前なんて一瞬で頭の中から消去してやった。

うちでは派遣社員に残業代が出ないのに、毎回こうしてソウタが残業していると、さりげなくやってきて差し入れやら雑用を申し出てくる。

健気アピールは別に構わないけど、私の目の前でやってくるのが非常にムカつく。

時折チラチラこっちを見てくるから、確信犯であることはほぼ確定だ。

ソウタもソウタだ。

目の前の恋人を差し置いて幼馴染とイチャイチャしちゃって…。

「私も何か手伝うよ、何でも言って?」

「マジ?じゃあ、この資料を20部コピーしてまとめてほしいんだけど、いいか?」

「まっかせて!」

ビシッとあざとく敬礼ポーズをとる幼馴染の姿に、私の額の青筋がピクピク痙攣する。

そんな作り込まれた仕草にニコリと笑ったソウタは、その大きな手で幼馴染の頭を撫でる。

プレゼンの準備も大詰めだというのに、目の前で繰り広げられるメロドラマに、吐き気がして仕方がない。

「じゃあ行ってくるねっ」

「おう!頼んだ」

ヒラヒラと可愛く手を振って出ていくソウタの幼馴染。

完全にいなくなったのを確認すると、私は手元の資料をまとめる。

「じゃあ、あとはあんた達に任せるね」

「え?何言ってるんだよヒナ。俺とヒナのプロジェクトだろ?」

「あとは家でやるから、そっちは可愛い幼馴染さんと仲良く仕事していなさいよ」

吐きたくもない溜息をひとつ吐き、私は席を立った。

ミーティングルームのドアノブに手を掛けた時、目に前にいきなり影が落ちた。

そしてドアノブに掛けた手に重なるソウタの手。

背後に立つソウタを反射的に振り返って見上げれば、すぐさま無防備な唇にソウタのキスが降ってきた。

いきなりのことだったので、目を見開いて固まっていると、ソウタの顔がゆっくりと離れる。

「もしかして、ヤキモチ焼いた?」

図星ともいえる言葉に、私の顔に一気に熱が集まる。

「は?」

見抜かれていたことへの恥ずかしさから咄嗟(とっさ)にとぼけてみるが、ソウタは口角を上げる。

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