旦那様に甘く意地悪に染め上げられていく私の全て (ページ 8)
「旦那様…」
「マリア、かわいい」
みっともないの間違いじゃないかって、以前は思っていたけれど
今ではその言葉は、純粋に嬉しい。
旦那様はこうして達した後も、すぐには体を離さずにしばらくは私の中に入ったままでいる。
曰く「蓋」をしているんだとか。
私も、旦那様と長く触れ合っていられるのは嬉しい。
でもずっとこのままだと、少し困ってしまう。
だって…
「マリア」
「…はい」
「まだヒクヒクしてる」
「……っ」
「足りない?」
そう聞かれてしまうから。
こうして、私達の夜は更けていく。
また翌朝「お二人とも仲がよろしくて」なんて、使用人に言われてしまう。
分かっていても、私は旦那様の言葉を拒めない。
だって私は、いつだって旦那様を受け入れる準備しか出来ていないから。
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