「可愛いだけで終わらせないで」思い出を塗り替えるオトナの再会 (ページ 4)

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マンションの部屋に着いて、ドアに鍵をかける音を聞き終わらないうちに、目の前が真っ暗になる。

胸いっぱいに彼の匂いがした。

「ごめん、急に…」

「ううん」

背中に腕を回そうとして、こんなに広い背中だったんだなと思った途端、急にとても恥ずかしくなって身じろぎした。

「こら、暴れんな」

さらに強く抱きしめられて、ちょっと息苦しい。

息をしようと上を向くと、目が合う間もなくもっと息が苦しくなった。

唇に柔らかい感触がしたと思ったら、啄まれるように弄ばれて、ふとした瞬間にぬるりと舌が入ってくる。

私の舌を追い回すようにして、舌と舌が絡められた。

何度も何度も、角度を変えて攻めたてられて、嬉しいのと恥ずかしいのと気持ちがいっぱいいっぱいだ。

「んん…っ」

思わず出た声に、ようやく彼が解放してくれた。

「ん、もう、苦しい…っ」

「ごめん」

今度は優しく、ちゅっと唇の上を掠めていく。

「お茶するんだろ?」

にやりと笑う彼に、「意地悪…」と言って、彼の首になんとか腕を回して背伸びする。

そのまま私からキスをした。

「私、巧さんのこと、好きです。ずっとずっと前から」

「言うなよ。せっかくさっき止めたのに」

「やっぱり」

「だって俺から言いたいだろ」

彼は、背伸びする私を思いきり抱きしめてくれた。

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