仕事で失敗した私を慰めてくれたのは、めちゃくちゃドSなイケメンナンパ男だった
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仕事で失敗した私を慰めてくれたのは、めちゃくちゃドSなイケメンナンパ男だった (ページ 1)
「はあぁー…」
大きなため息をつきながら私は、とぼとぼと家に向かって歩いていた。
今日は、仕事で大きなミスをしてしまった。
しかも、いつもならしないような凡ミスだ。
「あぁー…落ち込むなぁ…ストレスたまるわ。家に帰って久しぶりにお酒でも飲んじゃおうかな」
私は肩を落としながら、家までの道のりを暗い面持ちで歩く。
「お姉さん!なんか暗くない?どうしたの!」
ポンっと肩を叩かれ、誰かにそう声をかけられた私は「ぎゃぁ!」と叫びながら、転びそうになってしまった。
「えぇっ!ごめん、そんなに驚くとは思わなくて。お詫びに一杯奢るよー!」
なんだ…ナンパか。
あいにく、今日は落ち込みデーだ。
そんな気分にもなれない私は、気だるそうに「いえ、結構で…」と断りかけたところで、声をかけてきた男の顔を初めてちゃんと見た。
「(…結構イケメン)」
そう思ってしまった私は、その男の顔をじっと見つめてしまう。
「なんだよー!そんなまじまじと見られたら恥ずかしいじゃん!ねっ、一杯だけ飲みに行こうよ」
「…じゃあ、一杯だけなら」
そのイケメンさに、ついつい私はOKしてしまった。
いつもならナンパなんて断るのに…。
そう思いながら男に連れられて、すぐ近くのバーに入ると、慣れた感じで男が席に案内してくれる。
「ここのバー、俺の行きつけなんだ!」
案内してくれた席は、半個室っぽく私は少々警戒してしまった。
緊張している私に気付いたのか、そんなに緊張しないでよ!と男がポンポン、と私の手を触る。
「(ボディタッチがちょっと激しいんだよなー…)」
バーのマスターにおすすめのカクテルを出してもらい、私たちは乾杯をした。
「俺の名前は雪斗。お嬢様のお名前は?」
いきなりのお嬢様呼びに、私はプッと吹き出しながら答える。
「夏美と言います」
「夏美ちゃん!笑った顔もかわいいじゃん!よろしくねぇ」
雪斗はなんとなくチャラかったが、そのチャラさが面白く、私はすぐに打ち解けられた。
気が付いたら、落ち込んでいた気持ちもだいぶ落ち着いたように感じた。
「ねぇ夏美ちゃん、ここ出たらうち来ない?」
「えぇ、さすがに今日は…」
「えーお願い!美味しいワインあるし!」
「じゃあ、少しだけなら…」
「やったー!」
家に行くなんて、絶対そういうこと目的に決まっている。
分かってはいたが、その日は落ち込んでいたこともあって、憂さ晴らしをしたい私は思わず行くと返事をしてしまった。
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