女性専用の温泉宿への傷心旅行。露天風呂でイケメンくんに癒されてイかされちゃう (ページ 5)
凪人くんの手が腰からお尻に降りてくる。
凪人くんのことを、すっかり気に入ってしまったけど、凪人くんは、私が帰ったらまた別の女性と同じことをするのかと思うと、ちょっと複雑な気持ちになる。
「でも、仲居の契約は終わりなんで、もう辞めてもいいかなとは思ってるんですけどね」
「何で?」
お尻の筋肉をぐりぐりと押されたり、大きく温かな手で擦ってもらったりして、座り仕事の疲れも取れて身体が軽くなる。
「だって、好きな人がいたら、こういう仕事を続ける自信なくて…」
「大丈夫、自信持って。私、凪人くんのお陰ですっかり癒やされたから」
「あ…ありがとうございます。あの…」
「何?」
「何でもないです…仰向けになってもらえますか?」
仰向けになると、凪人くんはしゅんとした顔をしていた。
でも、絶妙なタッチで全身を撫でられ、すぐに目を開けていられなくなる。
触れてほしいところにはなかなか触れてもらえずに散々焦らされたあと、めちゃくちゃにイかされてしまった。
それから、露天風呂でお酒を飲みながらイチャイチャしたり、夕食もお部屋で男体盛りごっこや二人羽織で食べさせ合って盛り上がり、野球拳をして裸に剥かれてしまったり、その合間にセックスをしたり、腕枕されてうとうとしたり、翌朝の朝食を終えるまで、凪人くんとふたりきりで過ごした。
別れ際に、もう少し一緒にいたいと思ってしまったけど、凪人くんは次のお客さんとも同じことをするのだ。
ここだけのことを、引きずってはいけない。
チェックアウトまでまだ時間があったので、アラームをかけて少し眠った。
*****
車に乗り込み、旅館を後にした。
300m程のところで左折すると、昨日凪人くんと行った茅葺屋根のバス停が見えてきた。
後続車がいなかったので少し減速したら、泣きそうになり、深呼吸をしながらバスを待っている人を見るともなしに見た。
凪人くん!
私は車を停める。
しゅんとしていた凪人くんの顔が心底嬉しそうにほころぶ。
「行き先は?」
「千紘さんの行くところ」
凪人くんを助手席に乗せ、車を発進させた。
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