ふらっと入った整体院のイケメン整体師に妄想が止まらない!非現実の世界で悶える私

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ふらっと入った整体院のイケメン整体師に妄想が止まらない!非現実の世界で悶える私 (ページ 1)

なんの前触れもなく右肩が痛み、腕を上げるのも辛い朝。亜由美はついに四十肩だと確信した。

 パートは午後二時までだし、なんとかそれまで乗り切って夕方に近所の整体院へ飛び込む。

 田舎の個人の整体院。前を通ることはあるが老人の憩いの場のような雰囲気だし、まさか自分がお世話になるとは思ってもいなかったが非常事態だ。

 ゆっくりとドアを開けると、明るい声がした。

「こんにちは!どうぞお入りください」

 部屋は広めの十二畳ほどで、三十代前半の整体師二人が施術中だった。一人はぽっちゃりで優しい顔をした愛嬌のある男性、もう一人は細身で色白で私服姿も見てみたくなる可愛い男性だ。

 
 紺色のスポーツウェアのような制服は印象が良く、今の時代は整体院もお洒落になったものだと驚いた。

 なぜなら亜由美の持つ整体師のイメージは、一人エッチのときに見るAVのマッサージ師だったからだ。

「こちらに記入をお願いします」

 ぽっちゃり君にカルテを渡され記入する。そのまましばらく壁に貼っているポスターを見たり、二人の整体師の後姿を眺めながらじっと待つ。

 スポーツでの筋肉のトラブルにも対応しているようで、そのせいか体育会系の礼儀礼節を感じたのかもしれない。

「どうぞ、こちらへ」

 おばあさんの施術が終わり、ぽっちゃり君が亜由美に声をかける。

「肩ですね」

 そう言って、後ろから亜由美の腕をゆっくりと持ち上げる。

「いたたた…」

「そうですね、四十肩というか、そんな感じですね」

 はっきり整体師から四十肩と聞いて、亜由美は自分の老化を認めざるを得なかった。

 やはり普通のマッサージ屋とは大きく違い、電気を当てたり、骨の周りを刺激したり、首や肩、腰までもマッサージをしてもらい普通に気持ちがいい。

 これだけ丁寧にほぐしてもらっても、料金は普通のマッサージ屋の半分以下。お年寄りが毎日通うのもわかる気がした。

「できればしばらく通ってくださいね」

「わかりました」

 二人の整体師に見送られ、亜由美はすっきりして外に出た。

*****

 翌日、パートが休みの亜由美は、家事を済ませてから午前の診察時間ギリギリに滑り込んだ。

 細身の色白君が一人でおじいさんを施術していた。

「少しお待ちください」

 明るく笑顔で亜由美に椅子を差し出す。

「ありがとうございます」

 亜由美は座ってこの整体師の観察を始めた。壁に貼られた医院の紹介コーナーには、智樹と書かれていた。

「智樹先生か…。保育士みたいだわ」

 名前を呼びたくなる衝動を抑え、また彼を眺める。

 身長は百七十センチほど、細身。制服の紺色が引き立つほどの色白。目はクリっとした二重で鼻も口も小さい。髪は黒髪でくせ毛なのかふんわりとしていて、かっこいいというよりは、可愛いと表現されることが多いような気がする。

 いかにもモテそうな好青年だと思った。ぽっちゃり君なら緊張しなかったのにと、失礼なことを考える。

 亜由美は、生理的に苦手なタイプに触られるよりは、少しはドキドキ感が味わえてラッキーだと思うことにした。

「お先だったね」

 おじいさんの施術が終わり、小さな整骨院に亜由美と智樹先生の二人きりになった。

 亜由美の脳内で、AVで見かける「変態マッサージ師」の空間と重なる。

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