熱帯夜に停電が起きて男友達が密になってしまい近距離でどぎまぎする私

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熱帯夜に停電が起きて男友達が密になってしまい近距離でどぎまぎする私 (ページ 1)

かっと辺りが光った後、ドオオンと大きな音を立てて雷がどこかに落ちた。もう近くまで来ているのだろう。

 加奈は雷は怖くはなかった。しかし、一緒にいる大輔は違うらしい。

「俺、もうダメかも…」

「子供みたい」

 くすりと笑うと、大輔はむっとし口を尖らせる。彼は友達で、たまたま近くにいたので遊びに来たのだ。

「人間ひとつくらい怖いものはある」

「はいはい」

 適当に流しながら麦茶を用意しようとして席を立つ。

 そのとき、周囲が一気に真っ白になったと思ったら、電気がふっと消えた。バリバリという音が直上から聞こえる。

「あちゃー、停電みたいね」

「おい、加奈。どこだ?」

 辺りを見回しても、真っ暗で何も見えない。ここら辺一帯が停電してしまったらしい。

 麦茶は諦めて手探りで大輔の元へ向かう。

 室内はエアコンが切れ、どんどん温度が上がってじっとりとしている。加奈は自分の汗を手で拭いながら、大輔を探した。

「どこ? 大輔」

「ここだよ、加奈」

 足元から声が聞こえたと思ったら、何かにつまずき、倒れた。倒れた先は柔らかかった。

 それが大輔であることを認識するまで時間がかかり、その間、ふにふにと大輔の体を触ってしまった。

「おい、やめろって…」

 声が聞こえてようやく大輔がいたと安心した。加奈はどういう体勢で自分たちがいるのか気が付いていない。

 大輔の上に馬乗りになり、デリケートな部分が大輔のものと擦り合っている状態になっているのだ。大輔はそれに気が付いているので、早く加奈を上からどかそうとする。

「あの、加奈さん。ちょっと上から降りてもらっていいですか」

「え、なんで」

「なんでって」

 大輔は微妙に擦れる秘部の刺激が自分のものに伝わって、気が昂っている状態になりかけている。加奈はそれに気が付いていないのだ。

「とりあえず、男の上に跨がったままじゃ、女としてどうかと思う」

 もっともな意見だったので加奈は素早く下りた。それを確認し、大輔は大きな息を吐いた。

 しかし、困ったことになったと大輔はまたため息が出てしまった。先ほどの微弱な刺激が今や巨大な昂ぶりとなって自分を揺すぶる。

 加奈は友達だ。そういうことはしたことがない純粋な友達である。

 悶々とする大輔の一方、加奈は真っ暗の中で淋しさを感じていた。

「大輔?」

「なに?」

「もっとそっち行っていい?」

 一瞬うろたえたが、大輔はオッケーを出し、お互いにじりじりと近付く。暗闇で見えないため、近くに寄ったときにあまりの近さにお互いの息を感じてしまった。

「あ、ごめん」

「いや、俺もごめん」

 段々と上がる室温と共に、自分たちの体温も急上昇した気がする。2人は汗を拭いて、自分の匂いを気にした。

 少し肩が触れ合ってお互いの熱い体温を感じる。汗ばんでいたが、何故か不快にはならなかった。

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