同窓会で再会した元カレ。結婚していたことにショックを受けたその数時間後…
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同窓会で再会した元カレ。結婚していたことにショックを受けたその数時間後… (ページ 1)
本当は、来るつもりはなかった。
キラキラの欠片もない人生を送っている私が、同窓会に参加したって惨めなだけ。
でも、幹事が彼だったから、どうしても気になって来てしまったのだ。
華やかな会場で所在なく料理を眺めていると、かつてのクラスメイトに話しかけられた。
「久しぶり、真希。元気してた?今どうしてるの?」
「えっと、まあ元気にしてるよ。前と同じ派遣先で働いてる」
「そうなんだ~。派遣って不安定だよね~。結婚は?」
「うーん、なかなか出会いなくて…」
「彼氏もいないの?早く見つけなきゃ大変だよ~?」
「うん…」
今年で二十八。
そろそろ焦らなきゃいけないのはわかっているけれど、焦ったところで彼氏ができるわけでもない。
他の皆は、やりがいのある仕事をしたり結婚したり出産したり、ちゃんと人生を歩んでるのに、どうして私だけこんなに惨めなんだろう。
やっぱり来るんじゃなかったと思った時だった。
「久しぶりだな、真希。元気してたか?」
「和馬…!ひ、久しぶり」
和馬が、声を掛けてくれた。
私がここに来た一番の理由、それは彼に会うことだった。
学生の時、少しだけ付き合っていた元彼。
イケメンで頭も良くてクラスの人気者で、そんな彼がどうして私なんかと付き合ったくれたのか、今でもわからない。
卒業ギリギリの時だった。
私の告白でめでたく付き合うことにはなったけれど、別々の大学で遠距離になって、自然消滅してしまったのだ。
あれは私の夢だったのかもしれない、なんて今でも思っている。
「元気だよ。和馬も、元気そうだね」
「ああ。何とかやってるよ。仕事はキツいけどな」
彼の左手の薬指には、指輪が光っている。
結婚したんだ…。
当然だよね、すごくモテる人だもん。
わかっていたことのはずなのに、ショックを受けている自分がいた。
「二次会も来るよな?俺、真希に会えるの楽しみにしてたんだよ」
「うん…嬉しい」
胸にずっと残っていた、和馬への淡い想い。
それとも今日でお別れだ。
浴びるほどお酒を飲んで、ちゃんと忘れよう。
そう、思っていたのに。
「あっ、ああっ、あんっ!あああっ!」
「真希、声抑えて。聞こえる」
「んっ、んんっ!んんんっ!」
その数時間後、まさか和馬と路地裏でエッチすることになるなんて。
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