セックスレスだった夫婦が空白の時間を埋めるように再び愛し合う夜
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セックスレスだった夫婦が空白の時間を埋めるように再び愛し合う夜 (ページ 1)
「今日、話がある」
仕事中、夫からメッセージがあり、ドキッとした。
私たち夫婦はなかなか子供を授かることができず、セックスをすること自体が気まずくなっていた。
結婚して5年ほどたつが、そのうちの3年間はセックスレスだ。
お互い気まずさを誤魔化すように仕事に打ちこみ、家で顔を合わせることはほとんどなかった。
そんな生活が続いた中での夫からのメッセージ。
きっと別れ話を切り出されるんだろうな…。
セックスレスとはいえ、私は夫のことが好きで、なんとか新婚のころみたいに仲良くしたいと思っていた。
でも、タイミングが見つからず、ずるずると今日まできてしまったのだ。
もう夫は私のことを女としてみていない。他に好きな女性がいるのかもしれない。
心の中で、もう夫とはやり直せないと諦め、家に帰った。
*****
「美紅、おかえり」
夫はリビングでテレビを見て待っていた。
「た、ただいま。ごめん、遅くなって」
「いや、急いでないし、大丈夫だよ。俺、もうシャワー済ませたから、美紅も先に浴びちゃったら?」
私の不安とは裏腹に、夫は笑顔で話しかけてくる。
「あ、うん。じゃあそうしようかな」
なんとか私からも明るく返事をしてシャワーを浴びることにした。
*****
「明人、お待たせ」
シャワーを浴び終え、リビングに向かう。
最後くらいは綺麗だと思われたくて、いつもは適当に済ませるドライヤーもきちんとやった。
すでに私は泣きそうになりながら夫の隣に座る。
夫はテレビを消し、真剣な顔になった。あぁ、いよいよだ…。
「美紅、あの、これ…」
「え?どうしたの…?」
もう頭の中は離婚を切り出されることでいっぱいだったのに、夫の手にはプレゼント用にラッピングされた小さな箱があった。
「別に、記念日でもなんでもないんだけど、俺からの気持ち」
「へ?なに?どういうこと?別れ話じゃなかったの…?」
「えっ!?そんな…!もしかして、美紅はもう別れたくなってた?」
「ううん!違う!違うの。急にメッセージがきたから、てっきりそうだと思って…」
「そうだよな、あんな突然…。ごめん。これ、受け取ってくれる?」
離婚を切り出されなくてよかったと安心しながら箱を開けると綺麗なネックレスだった。
「綺麗…。こんな素敵なの、いいの?」
「もちろん。美紅のために選んだんだから。ほら、つけてあげるよ」
私は夫に背を向け、ネックレスをつけてもらった。
「すごくかわいい!ありがとう。大切にするね」
私がネックレスを見つめていると、突然後ろから抱きしめられた。
「…っ、ちょっと!明人…」
「美紅、今までごめんな。時間かかっちゃって。でも、今も変わらず大好きだよ」
ちゅっと優しく首筋にキスをされる。スキンシップをとるのも久しぶりで、身体が熱くなる。
「ん…、明人は悪くないよ。私も…。嬉しい」
「こっち向いて」
「ん、はぁ、あっ」
数年ぶりの夫とのキス。彼の息遣いもだんだんと荒くなってきているのがわかった。
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