十年前に離ればなれになった幼馴染みと、偶然の再会を果たした私は…
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十年前に離ればなれになった幼馴染みと、偶然の再会を果たした私は… (ページ 1)
「優一、遠くに行っちゃうって、本当…?」
家が隣同士で、幼稚園の頃からずっと一緒だった私と優一。
中学、高校も同じで、私たちは幼馴染みであり親友みたいな間柄だった。
でもそんなある日、優一の両親が離婚。
優一は母方の地元に引っ越すことに。
私たちは、生まれて初めて離ればなれになってしまった。
「メールするよ。電話も」
「うん…」
優一は、私の初恋だった。
告白しようって何度も思ったけれど、居心地のいい友達の関係が壊れるのが怖くて、ずっと言い出せなかった。
結局、私はお別れの日も、彼に何も言えなかった。
あれから十年後…。
「すみません!はい、今すぐ資料をまとめておきます!はい!」
私は忙しい会社員になっていた。
生命保険の営業として、上司にしごかれながら、毎日忙しくしている。
家は出て、今は東京で一人暮らし。
優一とは、連絡を取っていない。
最初は送っていたメールも、毎日のようにやり取りしていた電話も、それぞれの日常が忙しくなるにつれ、次第にできなくなった。
そんなある日、仕事で取引先の会社に向かった時だった。
担当が変わったということで紹介された人を見て、私は悲鳴を上げそうになった。
「え…もしかして、優一!?」
「有紀子!?」
私は優一と、ドラマみたいな、思いも寄らない再会を果たしたのだった。
*****
「びっくりした~!まさかこんなところで会うなんて!」
「俺もびっくりだよ!有紀子、雰囲気変わったな。すげえ大人になった!」
「まあそりゃ、大人だからね~。とっくにお酒も飲める年齢だから」
退勤後、私たちはバーで美味しいお酒を飲みながら、再会を喜んだ。
優一も随分大人っぽくなってるけど、優しい顔つきは昔のままだ。
「嬉しいよ。俺、ずっと有紀子に会いたかったから…」
「優一…」
熱っぽい目で見つめられて、胸が高鳴った。
私は期待を込めて、彼の手に触れた。
今なら、正直な気持ちを伝えられるような気がした。
「私も…ずっと優一に会いたかった。ずっと、ずっと会いたかった。…あなたのことが、好きだから」
「有紀子…!俺もだよ。すげえ嬉しい」
彼は、私の手をそっと握り返してくれた。
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