サークル旅行で雑魚寝した布団には憧れの先輩が。我慢ができない私たちは、みんなに気づかれないように激しく…

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サークル旅行で雑魚寝した布団には憧れの先輩が。我慢ができない私たちは、みんなに気づかれないように激しく… (ページ 1)

「カンパーイ!!」

とある大学のテニスサークル。今日は学生大会の打ち上げで、とある郊外の旅館にサークルメンバー全員で宿泊していた。

4年生の引退試合の打ち上げも兼ねていて、広間を貸し切りした会場は大盛り上がりだった。

「涼馬~お前あのスマッシュは反則だったわ…。もう戦えないと思うと、寂しいもんだなあ」

「おまえもなかなかだったぞ。…楽しかったな、なんだかんだ」

「だな~!なんか後輩たちを置いてくのもつらいぜ…」

「…かもな。朱里もさみしい?」

「え…、あ、はい、寂しいです」

「ほんとに思ってんのか~?こいつ!」

「きゃ!ちょっとどさくさに紛れて…!」

朱里はサークルのエース、涼馬の付き人だった。朱里は、最初は涼馬への憧れでテニスサークルに入ったが、まさかその後付き人に任命されるとは思ってもみなかった。

今こんな風に冗談を言い合えるのは、朱里にとって奇跡に近い事だった。

「まー、まだ俺らは学校にはいるんだし?寂しくなったらいつでも言えよ~」

「じゃあ毎日来てください」

「無茶いうな!!就活があんだよ、俺らには!」

他のメンバーたちも、普段は言えないような話を色々な先輩に伝えると、酒も入ってみんな上機嫌だった。

しっぽり飲むのが好きな朱里は、仲のいい面々が話しているのを見て、焼酎のお湯割りを飲む。

そこへいつ離れたかもわからない涼馬が、また朱里の近くに来た。

「朱里おまえ。またそんな渋いもん飲んで…。おっさんか」

「好きなんだからしょうがないです。みんなのところ、いかないんですか」

「いや、なんだかんだ、2年間付き人だったお前のとこにいるのが、一番落ち着くんだよ」

「…口説いてます?」

「い、いや、そういうわけじゃないけどさ…、ま、お前には感謝しかないなって、思っただけ」

「…私も、涼馬先輩は、私のあこがれだったんで…」

「…え?」

「テニスしてる涼馬先輩がすごくカッコよくて、私もあんなふうになりたいって思ってこのサークルに入ったんです。…それが、まさか付き人になれるなんて…」

「…そんな風に、思ってくれてたんだな」

涼馬は、朱里の頭をポンポン、と撫でる。

「ありがとな。朱里。来年も、がんばれよ」

「…ありがとう、ございます」

朱里は、涼馬の言葉を聞いて、柄にもなく顔が赤くなってしまった。

こんな思いをするなら、ここに入って良かったな。

朱里は、そんな風に思った。

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