大好きな彼との夏祭りデートでまさかの大雨。車で雨宿り中に、濡れた私を見て彼は…

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大好きな彼との夏祭りデートでまさかの大雨。車で雨宿り中に、濡れた私を見て彼は… (ページ 1)

今日は8月最後の日。この日、彩は大好きな彼氏である雄大との夏祭りデートの日だった。

この日のための準備は欠かさなかった。

白ベースの青い花柄の浴衣に、美容室でヘアメイクまでしてもらった。

彩は、雄大に「可愛い」と言ってもらえることが何よりの幸せだった。

待ち合わせの最寄り駅へ行くと、外も構内も浴衣姿の子たちでいっぱいだった。

10分前くらいに着くと、すぐに雄大の黒い車が見えた。彩が手を振ると、雄大も車から手を振り返してくれた。

「来てくれてありがと!お願いします」

「はーい。待った?」

「ううん、ちょうど今来たところ」

「それならよかった。…今日も、めちゃくちゃ可愛い、彩」

「ほんと?私も雄大からそれ聞けて、嬉しい」

「そう?よかった。じゃ、行こっか」

「うん!」

照れながら彩をほめる雄大。むしろ雄大のほうが可愛いなと思いつつ、彩はシートベルトを締めた。

2人は職場恋愛で、初めて一緒に過ごす夏だった。

勿論、祭りも初めてなので、彩は尚更気合が入っていた。

「でも…」

「?どうかした?」

「ちょっと、降りそうだね、心配…」

「あ、確かに…、傘、持ってくるの忘れたな…」

「私も…、ま、気合で乗り切ろっか!」

「ははっ、そうだね、何とかなる」

彩も心配していたが、今日の夜の予報は雨。

しかし、行くときに邪魔だからと傘を持ってくるのを忘れていた。

そんな心配をよそに、車は会場へと向かっていた。

*****

雄大は、「穴場の駐車スポットがある」と、他の駐車場は激混みの中、難なく駐車を済ませた。

車のドアを開けると、すぐに独特な祭りの匂いがしてくる。

「はー!楽しみだね!」

「うん、彩と一緒に来れて、嬉しい」

「あたしも!楽しみだね」

車から降りると、彩はテンションが上がる。それを見る雄大も、なんだか楽しそうだった。

2人は定番の金魚すくいや射的など、何件か祭りを楽しんだ後、たこ焼きで腹を満たしていた時だった。

「…あれ」

「…?どうしたの?」

「雨、降ってきたかも…」

「まじ?」

そんな会話をしていると、瞬く間に大雨が降ってきてしまった。

「やばー!濡れるー!!」

「とにかくどっか入ろう!」

そう言って2人は、手ごろな屋根に入り、雨宿りをした。

しかし一気にみんなが雨宿りをするものだから、そこまでしのげるわけもなく、少しずつ浴衣が濡れてきた。

「寒くない?彩、大丈夫?」

「うん、大丈夫。…雄大のほうが、濡れてるじゃん!」

「俺は平気。もっとこっちおいで」

「あ…うん」

彩を心配させまいと、雄大はニコリとしてから彩の肩を抱き寄せる。そんな姿にきゅんとしつつも、雨が小降りになることを祈っていた。

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