失恋した私を宅飲みに誘ってくれた幼馴染は、酔いに任せて本当のことを喋りだして…
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失恋した私を宅飲みに誘ってくれた幼馴染は、酔いに任せて本当のことを喋りだして… (ページ 1)
「ごめんね、俺好きな人いるんだ」
「…っそ、そうですよね、主任、優しいから、…そうだとは、思ってました」
「…そう言うことで、これからも会社では、普通によろしくね」
「…はい、…お話、聞いてくれて、ありがとうございました」
私は、今日、好きだった会社の主任に、告白をした。
が、見事に玉砕してしまった。
準備はしていたつもりだった。だって私に対して特別感出てたし。
二人っきりになってた時だって、私を期待させるようなこと、言ってきてたのに。
それなのに。
「…うっ、…うう、ひっく…ひどいよお」
私は泣きながら家までの道を歩いていた。
「おいおい泣きすぎだろ。変な奴だと思われるぞー」
「だって…っ、思わせぶりにした主任が悪いと思う~~」
「わかった、わかったから!聞いてやっからとりあえず道端で泣くな。つか直で来るか?」
「…行く」
「おう、泣き止んだら酒よろしくな~」
「ひどくない?こんな泣いてる子に酒買わせんの?」
「それとこれとは別だ」
「…クソ強い酒買ってやる」
そう言うと、私は何回か深呼吸して、コンビニへ向かった。
*****
20分後。
「…めっちゃ買ってきたな」
「当然。今日はオール決定だからね。…明日休みでしょ」
「…え、…まあ、そうだけど…、泊まるの?」
「あんたが誘ってきたんでしょ。私はそのつもり。ダメ?」
「…あ、そ。別にいーよ」
こいつは隆之介。私の幼馴染。ことあるごとに隆之介に慰めてもらう。
飄々としていて何を考えているのかわからないし、こうやって慰めてくれるのも、私をからかっているのか、本心なのか。
付き合いは25年になるが、真意はまだわからない。
その隆之介の今の返事が、なんとなく素っ気なかったことについては、今の私には関係なかった。
*****
「でさぁ聞いてよ!!主任ってばひどいんだよ!?」
「…聞いてる限りだといつものパターンなんだけど。つか奈々お前、前好きだった奴も元カレもおんなじ振られ方してんじゃねーか、いい加減自覚したら?」
「うるさいうるさいうるさーい!!!あたしは傷心中なの!ちょっとくらい慰めてくれたっていいじゃん!」
「はいはい次があるから心配すんな」
「なんか冷たいからそういうのはダメ!」
「わーったよ。とりあえず飲め。…夜は長ぇんだからな」
「…、わ、わかった…」
私は隆之介に促されるまま、酒を飲む。
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