社内に彼氏がいる事を隠してきた。別の社員に彼女が迫られて彼氏が取った行動とは

キャラクター設定

登場人物をお好きな名前に変更できます。

milkyに掲載の小説は当サイトが契約した作家によるオリジナル作品であり、著作権は当サイトにて保持しています。無断転載、二次利用は固く禁じます。不正な利用が確認された場合、法的措置を取らせていただきます。

社内に彼氏がいる事を隠してきた。別の社員に彼女が迫られて彼氏が取った行動とは (ページ 1)

カタカタカタ…
パソコンに向き合う彼女は聖奈。
26歳のOLで、やっと仕事に慣れてきたところである。

聖奈には入社して半年くらいから付き合って、今現在同棲中の彼氏がいる。

彼の名は栄司、別部署の同期で、これがまたとてもモテる。
会社のアイドル的存在の彼の彼女だと知られた時の女性社員の目を恐れた聖奈。

また、二人とも仕事に私情を持ち込みたくないと感じたため、会社では付き合ってることは知られていない。

なので、彼氏が栄司というのを社内で知ってるのは、聖奈の仲のいい友達2人、栄司の友達1人、それから総務部で社員の情報を扱っている一部の人たちだけ。

朝から出社するだけで女性社員の目をハートにさせる栄司を見て肝を冷やす聖奈。

かく言う聖奈も本当はモテる。サラサラロングのストレート、儚げな印象で守ってあげたいと思う男性は数多。

高嶺の花であまり声をかけられないだけで、彼女の友達には連絡先を聞いたり近づきたいと相談する男が絶えないのも事実。

ただ、社外に彼氏がいると聖奈の友達が話すので、大抵の男は見て終わっているだけだった。

それでも栄司の不安は尽きない。入社して1年が過ぎる頃には聖奈と付き合っているのを隠していることを激しく後悔していた。

そんな栄司の不安を更にかき立てる出来事が最近起こっている。

「ねえ、聖奈ちゃん?今夜仕事上がりに食事に行かない?」

「えっ、と…先輩すみません、ご一緒できません」

そう。この聖奈に言いよる男のせいだ。

この男は聖奈たちより2年先輩。

この男もモテるのだが、遊び人として社内で名が通っている。

男のあしらいにも慣れていない聖奈はうまく断れない。

栄司とのことは隠しているから、と社外に彼氏がいると言えばいい、とさえ思いつかないほど。

そういった事情も不安に拍車をかける材料になってしまったのだ。

*****

ある日、聖奈が資料室でいくつか資料を選び取った時だった。

偶然先に資料室で探し物をしていた例の先輩と出くわした。

「いつなら空いてる?」

「いつ、と言いますと?」

「食事のことだよ。何が食べたい?」

断るとは始めから視野に入れずに話される。

何度も断っていたのだがいつもかわせない。

うまい断り方が思い浮かばず、資料も集まったことから早々に退散しようとする聖奈。

「私っ、もう行かなきゃなので失礼します!」

「資料、そんなにあったら重いでしょ。俺ももう終わったとこだから少し持つよ」

スマートに半分以上も持っていかれて私の手元は急に軽くなった。

資料室から部署に戻る途中は、また社内での世間話や仕事の話になるから掴めない。

コメント (0)

コメントを書く