二十七歳処女の私は、初体験で丹念な愛撫でイかされてしまいました

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二十七歳処女の私は、初体験で丹念な愛撫でイかされてしまいました (ページ 1)

――風呂、先にどうぞ。

上がったら、借りてきた映画をゆっくり見よう。

恋人同士になって三週間。ついにこの時がきてしまった。

あまり物のない圭くんの部屋のベッドで彼を待つ。

二十七歳にして処女の私。

ついに初体験のチャンスが巡ってきた。

促されるままに、シャワーを素早くかつこれでもかと言うほど丹念に四肢を洗い、彼にシャワーを譲った。

今日ほど脱毛をしてよかったと思ったことはない。

緊張を少しでも和らげようと、勝手に見てていいと言われていたテレビをつけてチャンネルをザッピングする。

いつも見ている局のニュースはアナウンサーは変わらないのに、あまり頭に入ってこない。

するとガチャリ、と音がするとスーツ姿からは想像できないラフな部屋着の圭くんが頭をタオルで拭きながら部屋に戻ってきた。

圭くんは、私が座っていたベッドに同じように腰かけた。

「髪ぺちゃんこだね」

「猫っ毛なんだよ。ワックスつけてないと、こうなる」

「ちょっと幼く見える」

「それは瑞希ちゃんもかな。いつもはもっときりっとしてる感じ」

まるで挨拶のように唇を塞がれて、まさかこのままと思ったら圭くんは「映画見よう」と言ってデッキに映画をセットし始めた。

借りてきた映画は、話題になっていた映画。上映期間中に時間が取れず見に行けなかった。

次第にストーリーに夢中になり、意識せずにいた右手に温かいものが重なった。

映画は後半に差し掛かって、ちょうど盛り上がり始めるあたりだ。

触れ合っていた肩同士がびくんと揺れてしまった。

そのまま肩を抱き寄せられて、頭を圭くんに預ける形になる。

「瑞希ちゃん」

「ん?」

そして考えるより早く左手が頬に触れて、唇が塞がれた。

いつものキスよりも少し長めに重なる。

普段ならすぐに距離が離れて、にっこり笑う圭くん。けれど今日は、またすぐに唇が合わさりそうな距離で一言だけ問うた。

「いい?」

少し掠れたその声が意味することは、つまりはいよいよ私の初体験が始まってしまうのだ。

声をうまく出せず、小さくこくんと頷いた。

そのままベッドに押し倒されて、繰り返されるキスだけで酔ってしまいそうだ。

こういうときにどう振舞えばいいかなんてわからない。

ただ圭くんの部屋着をぎゅっと握ることで精一杯だ。

まさかアラサーにもなって処女だなんて本当は知られたくない。

けどうまく振舞える自信もない。

聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥とはよく言ったものだ。

私の場合は言う方だけど。

「あの、圭くん!」

「どうした?」

キスの合間になんとか息を吸い、声を上げた。

どう思われるかはわからない。

けどこのまま進めてコトが済んでから知られてしまう方がずっと気まずい。

それでもやっぱり本当のことを言うのは恥ずかしくて、俯いたままさっきの半分以下の声で言った。

「あのね、私…初めてなの」

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