彼氏から性癖どストライクの格好で責められて、いつも以上に大変なことになりました
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彼氏から性癖どストライクの格好で責められて、いつも以上に大変なことになりました (ページ 1)
世の中には様々な性癖が渦巻いていて、人はそれを『フェチ』と呼ぶ。
誰しも、大なり小なり性的嗜好を持っているであろう現代社会。
そんな私のフェチはというと――?
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「ただいま」
2歳年上の恋人と同棲して約2年。
聞きなれた帰宅の声を受けて玄関まで迎えに行くと…珍しくスーツに身を包んだ彼が立っていて、私はアイドルに遭遇した時のような変な奇声を発してしまった。(実際に遭遇したことないけど)
「…なんちゅう声でのお出迎えだよ」
「な…な、なんで、スーツっ」
「ああ、今日クライアントのレセプションパーティーに招待されてて、仕方なくな」
堅苦しいったらないわー、と気だるげにネクタイに指をかけ緩めるその仕草から、無駄に色気が立ち上る。
スラっとしたシルエットのスリーピーススーツを見事に着こなしている恋人を前にして、私は大変うろたえていた。
もうおわかりいただいていると思うが、私はいわゆる『スーツフェチ』である。
潤也はデザイン会社に勤めているため、普段出社するときも服装はラフなものがほとんどなのだが、たまにこうして拝める彼のスーツ姿は…正直たまらない。
今日は自分の方が早く出勤したため、彼がどんな服装で出掛けていたのか知らなかった私は、ものすごく贅沢で耽美なサプライズを受けた気分だ。
顔を赤くしながら口をパクパクさせていると、私の様子に気が付いた彼がニヤっと口端を引き上げながら近づいてくる。
「梢、なんでそんな顔赤くさせてんの」
「っ! …なんでもな…」
「そういえばお前、スーツ好きだったよな」
…バレている。
目線を彷徨(さまよ)わせながらたじろいでいる内に、あっという間に壁際に追い詰められた私を真上から見下ろす彼は、面白いことを思いついたように目をギラつかせて私を見つめていた。
「なあ、梢」
少しかがんで顔を近づけて、耳元で囁いてくる。
情事の時の、思わず腰にくる潤也の低い声。
スーツからいつもと同じ香水の香りがフワッと鼻を掠めた。
「シようか。このまま」
こうして惚けている私に拒否権などあるはずがなく、うやうやしくエスコートされるように寝室へ誘(いざな)われていった。
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